日本共産党

2004年5月5日(水)「しんぶん赤旗」

沖縄・辺野古

連休中も住民が座込み

米軍新基地 ボーリング調査やめよ


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ボーリング調査の中止を求めて座り込みを続ける住民たち。「教養講座」として、地元の植物を学んでいました=4日、名護市辺野古

 沖縄県名護市辺野古で、地元住民らが大型連休中も座り込みをつづけています。米海兵隊普天間基地(沖縄県宜野湾市)に代わる最新鋭の海上新基地建設計画で、国が事実上の着工となる現地技術調査(ボーリング調査)を強行しようとしているためです。

 「辺野古の海をボーリングすることは、自分の心臓を突き刺されるのと同じ。絶対にやめさせたい」―。四月十九日から二週間以上にわたり、座り込みを続ける辺野古のおじぃ、おばぁたちみんなの思いです。

 沖縄戦を経験し、戦後の貧困の時代を、辺野古の海の恵みで乗り越えてきたお年寄りにとって、辺野古の海は、自分自身であるとともに、子や孫にどうしても引き継ぎたい宝の海なのです。

 ほぼ毎日、座り込みに駆けつけている名護市瀬嵩に住む池宮秀行さん(59)=飲食店経営=は「子どものころから米兵による事件・事故を見続けてきました。このヤンバル(沖縄本島北部地域の総称)に基地ができれば事件や事故が増えるだけで絶対に許せない。何年続いても座り込みを続ける決意だ」と話します。

 国の計画は、新基地建設予定海域の六十三カ所をボーリング(掘削)するほか、弾性波探査などにより、地質や地形を調べるもの。しかし、沖縄県が意見聴取した専門家からは、「サンゴ礁は死滅することになるので、中止すべきである」「ジュゴンの生活環境の悪化と判断すべきである」などと、批判的な意見が出されています。

 辺野古漁港のすぐそばに事務所を構える「命を守る会」には、「同じ地球人の命を奪う基地なんかいらない!」「団結小屋で買ったTシャツをせめてもの気持ちで着ています」など、全国からEメール、ファクスが届き、住民たちを励ましています。

 四月三十日には、日本共産党の赤嶺政賢衆院議員、宮里政秋県議らが現地を訪れ住民たちと固く握手を交わしました。一日からは港を利用する漁民のストレスを配慮し、座り込みの場所を港外に移しています。

 国は、工事に反対する地元住民や多数の県民の声に押され、「頭ごなしに工事は行わない」とのべていますが、現地には祝日を除く毎日、施設局の職員が住民の撤去を求めて訪れます。また現地事務所を置くキャンプ・シュワブからも住民の動向を望遠鏡らしきもので常時監視するなど、気の抜けない緊迫した状況が続いています。

 沖縄県・浅野耕世記者


 ◇激励先 「命を守る会」 電話・ファクス0980(55)3131 Eメール

 henoko@f5.dion.ne.jp


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