日本共産党

2004年4月28日(水)「しんぶん赤旗」

ファルージャ市内侵攻

米軍 武装ヘリで空爆も

ナジャフ近郊 イラク人43人死亡


 【カイロ=小泉大介】全土戦闘状態のイラクでは二十六日、米軍が中南部ナジャフ、中部ファルージャで「武装勢力掃討」を理由に市内に侵攻、戦闘で多数のイラク人が死傷しました。イラク情勢は重大局面を迎えています。

 イスラム教シーア派聖地ナジャフ近郊のクーファでは二十六日夜から二十七日未明にかけ、米軍がシーア派指導者サドル師支持の民兵掃討を名目に、AC130攻撃機や武装ヘリコプターも動員した激しい攻撃を行いました。

 米軍報道官は二十七日、ナジャフ近郊の攻撃でイラク側に四十三人の死者が出たと発表。一方、カタールの衛星テレビ・アルジャジーラは、現場で死者を撮影した映像や、病院に運ばれた死傷者の様子からみて、大半は非武装の民間人だとしました。また同テレビは目撃者の話として、米軍がクラスター(集束)爆弾を使用したと伝えました。

 ナジャフでは二十六日、サドル師の拘束あるいは殺害を狙って同市を包囲していた米軍が、中心部への侵攻を開始。中心部から約五キロの地点に達しました。サドル師は徹底抗戦を表明しており、同日、市南部では米軍とサドル師支持民兵との交戦も発生しました。

 一方、米軍がファルージャで二十六日に行った攻撃では、モスク(イスラム教礼拝所)も破壊され、イラク人八人が死亡、多数が負傷しました。米海兵隊側も一人が死亡、十人が負傷しました。

 米軍がファルージャ停戦の条件とした武装勢力の武器引き渡し期限は二十七日。しかし引き渡しは進んでおらず、全面攻撃再開の可能性が高まっています。

 首都バグダッド中心部で二十六日に発生し、米軍車両四台が炎上した大爆発では、少なくとも米兵二人が死亡、イラク人の子どもなどを含め十三人が負傷しました。


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