日本共産党

2004年4月27日(火)「しんぶん赤旗」

“イラク戦争不当、歴史が審判”

ポルトガル大統領が軍事介入批判


 【パリ=浅田信幸】ポルトガルのサンパイオ大統領は二十五日、同国の独裁制を打倒した「四月革命」三十周年記念にあたり国会で演説をおこない、イラク戦争を国連の承認のない不当な「軍事介入」と厳しく批判しました。

 ポルトガルは、米国のイラク侵略戦争を支持して派兵してきた国の一つですが、国民の間では撤退世論が高まっています。大統領の発言が反響を呼ぶのは必至です。

 リスボンからの報道によると、サンパイオ大統領は「速やかな勝利という幻影は政治的軍事的混乱にかわり、イラクの不安定化を生み出し、国の一体性を脅かしている」と指摘。イラクの安定化と復興に国連の「中心的役割」が不可欠であり、「平和を再建し、国を復興させるのにほかの道はない」と強調しました。

 さらに「予防戦争という異論のあるドクトリンに基づいて、国連による正当性の保障のない軍事介入を決定したことにたいして、歴史が審判を下すだろう」とのべました。

 ポルトガルのデュランバロゾ政権は、昨年十一月からイラク南部のナシリヤに百二十八人の共和国警備隊員を派遣。スペイン軍撤退決定後の反対世論の強まりの中で内相が、イラク情勢の悪化が続く場合「唯一の解決策は撤退すること」と発言し、与党内部にも動揺が広がっていました。

 サンパイオ大統領の発言は、政府の態度に公然と批判を加えたものとして注目されます。


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