日本共産党

2004年4月21日(水)「しんぶん赤旗」

集団的自衛権は「当然」

海自トップ 政府の立場否定


 防衛庁の古庄幸一海上幕僚長は二十日の定例記者会見で、自衛隊の海外派兵が将来増えることを前提とした上で、集団的自衛権を認めるのが「当然だ」との見解を示しました。自衛隊トップが憲法上の問題にかかわる見解を明らかにするのは異例。「集団的自衛権の行使は憲法上許されない」という政府の立場を制服組の最高幹部が公然と否定するもので極めて重大です。

 古庄海幕長は十九日、東京都内で行われた日本外国特派員協会の講演でも、自衛隊が海外で活動する場合の今後の解決すべき課題として、集団的自衛権の問題を挙げていました。

 古庄海幕長は「世界中の海軍がコアリッション(有志連合)に向かっている情勢の中で、必然として出てくる問題」として、集団的自衛権を容認すべきだとの認識を示し、その理由として「今の法体系の中で任務が決められればわれわれはやるが、それでは国際的に十分な活動ができない」と説明。「そういう問題が解決されれば、他国の海軍と同じコアリッションの一員として任務ができ、柔軟に対応ができる」などと述べ、他国の海軍と同様の軍事作戦を共同で行うことができるようにすべきだとの考えを示しました。


許されないとの立場に変更ない

官房長官

 福田康夫官房長官は二十日午後の記者会見で、集団的自衛権の行使は憲法上許されないとする政府の立場について「考え方は変わっていない」と述べました。

 集団的自衛権の行使を認めるべきだとの古庄幸一海上幕僚長の見解に対しては「どういうふうに言ったのか。前後があるだろう。それを見てみないと分からない」と具体的な言及を避けました。


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