日本共産党

2004年4月19日(月)「しんぶん赤旗」

イスラエル軍がミサイル攻撃

ハマス指導者をまた暗殺

国際的批判相次ぐ


 【カイロ=小泉大介】イスラエル軍は十七日夜(日本時間十八日未明)、パレスチナ自治区ガザ市で、イスラム過激派組織ハマスの最高指導者アブデルアジズ・ランティシ氏の乗る車を武装ヘリからミサイル攻撃し、同氏を殺害しました。

 イスラエル軍は三月二十二日にハマスの精神的指導者ヤシン師を同じくミサイル攻撃で殺害したばかりで、国家テロによる相次ぐ最高指導者の殺害がパレスチナの激しい反発を呼ぶのは必至。国際的にも「違法な殺害行為」(アナン国連事務総長)との批判が高まっています。

 現地からの報道によると、このミサイル攻撃でランティシ氏と同氏の息子、護衛の三人が死亡しました。同氏は、ヤシン師暗殺後、その後継としてハマスの最高指導者に就任したばかり。

 十八日にはガザ市で葬儀が行われ、十万人以上のパレスチナ人が参列しました。ハマスは「イスラエルに百倍の報復を」との声明を発表しました。

 ヤシン師殺害後、イスラエル政府と軍の首脳が相次いで全ハマス幹部の殺害方針を表明しており、今回の殺害がハマス壊滅作戦の一環であることは明白です。ブッシュ米大統領は十四日にシャロン・イスラエル首相と会談。ハマスなど「テロ組織」に対する軍事行動を容認しています。

 パレスチナ自治政府のアリカット交渉相は攻撃を「国家テロ」と厳しく非難。エジプトのマーヘル外相も「イスラエルの新たな犯罪を断固糾弾する」との声明を発表しました。

カット

ハマス パレスチナのイスラム原理主義過激派組織。ハマスはアラビア語の「イスラム抵抗運動」の頭文字で、「熱狂」の意味も。一九八七年のイスラエル軍事占領に反対する民衆蜂起(インティファーダ)を機にイスラム復古勢力のムスリム同胞団を母体に創設しました。軍事部門「カッサム旅団」を中核に自爆テロを含む武力行動を展開する一方、パレスチナ住民の救援や貧困者救済なども行ってきました。


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