日本共産党

2004年4月8日(木)「しんぶん赤旗」

東京都内の中学 5人の入学式

江東

学校選択制3年目
生徒数の差広がる


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記者会見する志位和夫委員長=7日、国会内在校生全員による歓迎の歌の合唱で迎えられる五人の新一年生=7日、東京都江東区立深川第六中学校

 入学式シーズン。マンションが林立する東京・江東区の深川第六中学校では、新入生がわずか五人(うち男子一人)の入学式が七日、行われました。

 学区を自由化し区内全域から学校を選択できる制度が導入されて三年目。最初の年の新入生は二十五人、二年目が十二人に。今年は学区域の対象者は六十人から八十人いるのに、二ケタを割りました。この事態に父母や関係者に波紋が広がっています。

 式では、新入生一人ひとりが「誓いの言葉」を述べました。ただ一人の男子一年生は、「不安でした。男がぼくだけだし、部活が(あまり)ないからです。まだまだ整理がつかないけれど、どんなことがあっても精いっぱい頑張ります」と元気よく発言しました。

 保護者の一人は「上の子二人も地元なのでここにきました。小人数で目がゆきとどくのがいい。でも、五人というのは驚きです」と戸惑いを隠せません。春藤総明校長は「厳しい状況を承知の上で選択した君たちの勇気を全身で受け止め、希望に全力でこたえたい」とあいさつしました。

 同校は、地域の伝統工芸を学ぶなどの活動で東京都教育委員会から「特色ある学校づくり」で表彰されたこともあります。教職員が地域の対象者を訪問するなど新入生を増やす努力をしてきましたが、五人になったことについて、春藤校長は、「ショックです。校庭が狭く、サッカー部や野球部がないこともあるが、学区内の小学校が統廃合し、(六中が廃校になるという)根拠のない情報を払しょくできなかった」と話します。

 近隣の深川第三中学の新入生は二百二十七人(六クラス)、選択制のもとで応募が多く毎年抽選になり、「全生徒を把握するのが大変になっている」という声もあがっています。

 学校選択制は都内十八区六市に広がり、新たな問題が生まれています。


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