日本共産党

2004年4月3日(土)「しんぶん赤旗」

憲法9条が平和を守る なぜ?


 〈問い〉 日本の平和は憲法九条により、守られていると思うのですが、アメリカの基地があるので平和でいられるんだという意見もあります。そこで、なぜ憲法九条が平和を守るのか、意義を教えてください?(東京・一読者)

 〈答え〉 憲法九条が平和を守ってきたという考えは、少なくない国民の間に定着しています。一昨年の外務省世論調査でも、日本の平和が守られている要因に、「平和憲法」をあげる人がトップで64%でした。(http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/ah_chosa/ah_chosa.html)

 まず何よりも、憲法九条は、日本が海外での戦争に参加しないという規範をつくってきました。60年代〜70年代前半のベトナム侵略戦争のとき、アメリカの同盟国であったフィリピンやタイ、韓国などはアメリカとともに参戦し、数万の軍隊をベトナムに送りました。しかし、日本は、アメリカの後方支援基地としての役割は押し付けられましたが、憲法九条があったため、自衛隊が参戦することはありませんでした。

 憲法九条は、日本が海外の軍事紛争を助長しない役割も果たしてきました。たとえば、イラクは90年、隣国のクウェートを侵略しました。イラクが軍事大国化したのは、アメリカやイギリス、フランス、ロシアなどがばく大な武器を輸出したからです。普通の憲法をもつ国が、イラクの軍事大国化を助長したのです。しかし日本は、憲法九条があり、この条項の具体化として、他国に武器を輸出しないという「武器輸出三原則」をもっていたため、イラクにも輸出しませんでした。

 また、憲法九条は、紛争を平和的に解決するという考えを、多くの国民に定着させてきました。こうして、他国に軍事介入しない、紛争の原因をつくらないということが、他国による日本侵略の要因をつくらず、平和を守ることにつながってきました。これに反する自衛隊のイラク派兵や、武器輸出三原則を形骸化させる動きは、絶対に許してはなりません。(松)

 〔2004・4・3(土)〕


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