日本共産党

2004年4月1日(木)「しんぶん赤旗」

運送役員に有罪判決

水戸地裁 運転手の過労放置非難


 三重県鈴鹿市の東名阪自動車道で二○○二年八月、渋滞中の車列に大型トレーラーが追突し、五人が死亡、六人が重軽傷を負った事故で、トレーラー運転手を雇い、労働基準法(労働時間)違反などの罪に問われた茨城県日立市の運送会社「井坂倉庫」(井坂悦雄社長)と同社役員の被告(56)に対する判決公判が三十一日、水戸地裁でありました。村田鋭治裁判官は役員の被告に懲役四月、執行猶予三年(求刑懲役四月)を、法人としての同社に罰金百二十万円(同百二十万円)をそれぞれ言い渡しました。

 判決で、村田裁判官は「企業としての利益を追求するあまり、その社会的責任を放棄していたものであり、厳しい社会的非難は免れない」と述べました。

 判決などによると、同被告は八月六日、事故を起こした運転手(35)が長時間勤務で過労状態にあるのを知りながら、七日から十一日にかけて大阪市と日立市をトレーラーで二度往復する勤務を指示。運転手は八月十日早朝、居眠り状態のまま時速約百十キロで車列に追突しました。

 この事故をめぐっては、業務上過失致死傷などの罪に問われた運転手に懲役五年、道交法違反(過労運転容認)の罪に問われた上司二人にも懲役一年(執行猶予五年)が津地裁で言い渡され、確定しています。


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