日本共産党

2004年3月27日(土)「しんぶん赤旗」

為替市場への介入のための資金は?


 〈問い〉 日本政府による為替市場への介入が昨年度は二十兆円を超え、来年度は百四十兆円に枠を拡大するという話ですが、こんなにばく大な資金はどこから出てくるのですか?(東京・一読者)

 〈答え〉 為替市場への介入のための資金は、すべて政府の「外国為替資金特別会計」(外為会計)の資金を用いておこなわれます。

 同資金は、外貨資金と円資金によって構成されています。

 例えば、円高の動きを抑えるために政府が、ドル買い・円売り介入を決定した時には、政府は「政府短期証券」の一種である外国為替資金証券(為券、償還期間三カ月)を発行し、金融市場から円を調達します。これを売却してドルを買い入れることになります。

 ドル売り・円買い介入の場合には、外為会計の保有するドル資金を市場で売却して、円を買い入れることになります。

 円資金を調達するために政府が発行する外国為替資金証券は、金融機関にたいする政府の借金です。二〇〇四年度予算は、この外為会計の一時借入金限度額を百四十兆円に引き上げることを盛り込んでいます。

 外為会計は、円高局面のもとで、円売り・外貨買いの介入を続けてきました。その結果、外国為替資金証券の発行残高は、六十七兆九千億円(〇三年九月末)にのぼります。

 一方、国の借金を増やして調達した円資金によって買われたドル資金は、七千四百十二億ドル(〇四年一月末)になりました。日本は世界一の外貨準備高です。

 米国の「イラク戦費」などによる財政と貿易の「双子の赤字」がふくらみ、ドル暴落のおそれをはらみつづけています。

 円相場の安定を目的として為替市場介入がおこなわれています。国の借金を増やして調達した円資金が、急落の危険をはらんだドルを買い支えるという構造になっているのです。

 為替市場介入資金の拡大をはかる小泉内閣。国の借金を増やし、国民に痛みを押し付け、支えるのはアメリカ経済です。(山)〔2004・3・27(土)〕


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