2004年3月24日(水)「しんぶん赤旗」
![]() ![]() 三菱製大型車のハブ |
タイヤ脱落につながる車輪と車軸をつなぐ部品「ハブ」の破損が五十六件も起きている三菱製大型車で、車両の総重量規制緩和後に生産された二十二トン車に対して、二十トン車用のハブをそのまま流用していたことが二十三日までに分かりました。重量が一割も増したのに、従来のハブを使いつづけた同社の安全への姿勢があらためて問われます。
三菱ふそうトラック・バス(東京・港区)広報部は「二十二トン車で破損事例があるかどうかは集計していない」としています。
一九九三年、車両総重量(車体+架装物+人+積載)が二十トンから二十五トンまで可能になる規制緩和が行われました。
同社は、規制緩和の翌年、九四年と九五年に「ザ・グレート」シリーズの二十二トン車を生産します。
その二十二トン車に対して、規制緩和前から二十トン車に装着していた「D」ハブ(九三年三月―九五年七月まで生産)をそのまま流用しました。
同社広報部によると「二十トン車と二十二トン車では、ハブなどの足回りの形状や寸法など基本設計が同じなので、そのまま使用したのではないか」としています。
九二年から報告されている五十六件の同社製大型社のハブ破損のうち四十三件(78%)が、九三―九六年製に集中していることが、本紙一月一日付で明らかになっています。この期間の車には「D」「E」ハブが対応します。
同社広報部は、「DからEへの設計変更は、ボルトの折損事故によるものでハブの強度の問題ではなかった」といいます。
九六年六月に発表された「スーパーグレート」シリーズでは、ハブのフランジ(つば)部分の厚さを二ミリ厚く補強した「F」ハブが使用され破損事故は起きていません。