2004年3月20日(土)「しんぶん赤旗」
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「自民党と民主党がこんなに似通っていては国民は選択に迷うばかりである」―最近、一般紙の投書欄にこんな声が掲載されました。一般紙自身も「自民、民主両党の違いが見えにくくなっている」(「毎日」六日付)と指摘します。財界肝いりですすめられながら、必ずしも思惑通りにすすまない「二大政党づくり」。最近の動きをみます。
「日本としては、イラクの安定、復興のために支援していくという基本的な姿勢は今回のスペインの選挙結果で左右されるものではない」(十六日の参院予算委員会)
小泉首相は、日本とともに米英のイラク戦争を支持した「枢軸国」スペインの次期首相がイラク撤兵を表明したことについて、こうのべるのが精いっぱいでした。
イラク戦争の「大義」とされた大量破壊兵器の実在を否定する発言が相次いだうえのスペインの総選挙結果。国連憲章を踏みにじって強行された米英の無法な侵略戦争にいち早く支持を表明し、自衛隊派兵まで強行した自公政権はいま、国際的に孤立しています。
そのときに、民主党はイラク派兵には反対したものの、三十九人もの国会議員が「海外派遣自衛隊員を支援する国会議員の会」に参加。黄色いハンカチ運動など「自衛隊員が、任務を終え無事に帰国する事を目的とする」活動を繰り広げています。「自衛隊派遣がどんな日本の未来につながるのか、必死に論じつづけるのが国会議員であるべきではないのか。そんなこともわからないのか」(早野透氏、「朝日」二月十日付)との批判があがりました。
「お互いに基本法の必要性は認識しながら、勉強していく中で整理をしていく」。十七日、自民・民主・公明による「緊急事態対処基本法制協議会」の初会合が開かれ、民主党から座長になった前原誠司衆院議員はこうのべました。昨年の有事法制での与党・民主による「修正」合意につづく新たな接点です。
安全保障問題では、自民、民主の若手議員を中心に「新世紀の安全保障体制を確立する若手議員の会」が二月に活動再開。自民八十八人、民主七十九人などの議員が参加し、「憲法改正のあり方をしっかり議論し、流れをつくりたい」(武見敬三代表世話人=自民)と改憲論議に踏み込むことを確認しました。
二〇〇五年十一月までに改憲草案をつくるとした自民党の動きに、民主党も「〇六年までに案を示す」(菅直人代表)と呼応。小泉首相が「お互い胸襟を開いて大いに議論をしていきたい」とのべるほど、憲法改悪を競い合う状況になっています。「自民、民主両党の有志議員による勉強会が最近、次々とできているのも、『根』は同じであることを物語っている」(「毎日」六日付)との指摘もあります。
旧民主党で事務局長だった伊藤惇夫氏は「小泉首相が投げた『改憲爆弾』は、民主党内の縦の亀裂を鮮明にする一方、若手と旧世代の間に新たな横の亀裂を生み出しつつある」(『世界週報』三月十六日号)とのべています。
「考え方としては財源の消費税化や広く薄く公平に財源をいただく方法も一つだ。そういったことも踏まえて幅広に(年金の)抜本改革にとりくむ意思があるか」(民主・内藤正光議員、十六日の参院予算委)
「各党がそのような提案を出して協議することはいいと思う」(小泉純一郎首相、同)
民主党は「政権担当能力」を示すためとして、年金や道路公団改革などの「対案」づくりに力を入れています。党の年金改革プロジェクトチームがまとめた対案では「最低保証年金」の財源に充てるとして、3―4%の消費税率引き上げを打ち出しました。かりに4%税率を上げた場合、十兆円の負担増になります。
自民党も小泉首相は「在任中は消費税を上げない」とのべたものの、増税は政治日程に入っています。国会質問では「歳出削減は努力しなければならないが一定の必要な歳出は確保すべきだ。そうすると消費税の増税という選択を迫られている」(福島啓史郎議員、十七日の参院予算委)と消費税増税を迫りました。
年金問題では「民主党は昨年総選挙で消費税を財源に充てるとはっきりマニフェストにのべているが、自民党の場合にその財源はあいまいで示されていない」(仲道俊哉議員、十六日の参院予算委)と“反省”するかのような発言もあります。
結局、消費税増税路線では自民も民主も同じです。民主党からは「消費税をどうするかという議論はやらなければいけない。ところが(首相が)上げないといったことで消費税議論が止まっている」(山本孝史議員、九日の参院予算委)とけしかける声も聞かれます。
「二大政党でお互いに(疑惑を)やりあっている姿は国民にとって異様に腹が立つ」「どっちにも(選挙で)入れたくないという話になる」――民放テレビの政治討論(七日)でコメンテーターと司会者が相次いでのべたように、「政治とカネ」の問題が自民、民主両党に続出しています。
自民党は、近藤浩前衆院議員(比例東海ブロック)が買収容疑で逮捕され、同じく買収容疑で逮捕された新井正則前衆院議員(埼玉八区)は政党助成金を買収資金に充てていました。日本歯科医師連盟の不透明な献金疑惑は自民党中枢に及んでいます。
一方の民主党も、秘書給与詐取容疑で佐藤観樹前衆院議員(比例東海ブロック)が逮捕。選挙運動員が選挙違反で逮捕され、本人も連座制適用で失職の可能性がある衆院議員が、都築譲(比例東海ブロック)、今野東(宮城一区)、鎌田さゆり(宮城二区)の三氏に上ります。学歴詐称疑惑の古賀潤一郎衆院議員(福岡二区、離党)は辞職を拒んでいます。
疑惑を抱える両党が国会での参考人招致などに及び腰で、真相解明は全く進んでいません。
野党第一党の民主党が、自公連合の悪政に対抗する立場がもてないなか、どの分野でも責任ある態度を貫いているのが日本共産党です。
内政では、実施ずみを含め七兆円もの負担増を国民におしつける小泉内閣の予算案にたいして、正面から組み替え案を提案したのは、日本共産党だけでした。
年金問題でも、小池晃参院議員は「低すぎる基礎年金の水準を引き上げ、安心して暮らせる水準を保証することこそ、年金改革の第一歩ではないか」と迫りました(九日)。「年金問題でも私たちの気持ちになって、わかりやすく追及していました」との反響が相次ぎました。
企業が若者を「消耗品」呼ばわりしている―大門みきし参院議員は、派遣や請負など不安定雇用を増やす大企業の応援ばかりしている小泉内閣を追及。「フリーターは能力がない、フリーターが悪い、というのはうそだということを、共産党が主張している。がんばってほしい」との声が寄せられました。
外交・安全保障問題では、条件次第では自衛隊のイラク派兵もありうるとしている民主党と違い、“大義なき戦争の大義なき占領支援”だと本質を批判し、派兵反対の立場を貫いています。国会論戦でも、マスメディアは「『唯一野党』共産が攻勢」(「産経」二月十四日付)「共産リード役に」(「毎日」二月十日付)などと報じました。
北朝鮮問題では、自民、民主、公明の各党が、外国為替法「改正」につづき、特定船舶入港禁止法案をそれぞれ準備しています。日本共産党は、日本が単独でおこなう経済制裁は「平和的解決のプロセスの中で、状況を悪化させる行動をとらない」とした「六カ国協議」の合意事項に反するとして反対するなど、理性的な対応を貫いています。