日本共産党

2004年3月20日(土)「しんぶん赤旗」

米国主導の占領支配をやめ、国連中心の復興支援への転換を

2004年3月20日 日本共産党幹部会委員長 志位和夫


 一、米英軍がイラク戦争を開始してから、一年を迎えた。地球的規模で広がった戦争反対の国際世論に挑戦し、米英軍によって開始されたこの戦争は、国連憲章をまっこうからふみにじる無法な侵略戦争であった。

 わが党は、この侵略戦争にたいしても、ひきつづく米英軍主導の軍事占領支配にたいしても、強く反対してきたが、この一年は、無法な戦争をはじめたものが、歴史によって裁かれ、世界で孤立する一年となった。

 一、米英が戦争開始の最大の「大義」とした「大量破壊兵器」はいまにいたるも発見できないどころか、米国のイラク調査団長は「もともと存在しなかった」と証言した。世界を欺いて無法な戦争にのりだした米英両国政府と、それに追随した勢力の責任が、いま世界中できびしく問われている。

 侵略戦争と軍事占領は、イラクをテロリストの「理想の戦場」(国連報告書)に変え、泥沼化といわれる事態をひきおこした。中東地域でも、世界全体でも、テロの脅威はなくなるどころか、いっそう拡大し、泥沼化している。戦争は、テロと暴力の土壌を拡大するだけで、その解決策とはけっしてならないことが、証明された。

 米英とともに戦争と占領を推進したスペインでは、総選挙で与党が大敗し、次期首相となるサパテロ氏は、「現状が変わらなければ軍隊を撤退させる」と言明した。

 これらは、国連憲章をふみにじった侵略戦争と軍事占領が、破たんしつつあることをしめすものである。

 いま国際社会にもとめられているのは、米軍主導の軍事占領をすみやかに終わらせ、国連が中心的役割をはたす枠組みを確立し、イラク国民に名実ともに主権を返還し、占領軍のすみやかな撤退をはかることである。

 一、小泉政権が、イラク問題でとった態度は、自主性のかけらもない、異常な米国追随の連続であった。この政権が、無法な侵略戦争をただちに支持し、米国にもとめられるまま、憲法をふみやぶってイラクへの自衛隊派兵を強行したことに、わが党は、あらためて強く抗議する。

 自衛隊のイラク派兵は、侵略戦争と占領支配への合流・加担であり、憲法の禁止する武力の行使・交戦権の行使にあたるとともに、国連憲章がさだめた平和のルールにも正面から挑戦する暴挙である。

 大義なき戦争への大義なき派兵に固執することは、イラク国民との矛盾、アラブ・イスラム諸国との矛盾を広げ、とりかえしのつかない犠牲や災厄を、日本とイラクの両国民にもたらしかねないものである。

 日本共産党は、憲法違反の自衛隊派兵計画の破棄、自衛隊のすみやかなイラクからの撤兵を、強くもとめる。


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