日本共産党

2004年3月18日(木)「しんぶん赤旗」

反戦の民意無視し敗北

スペイン与党を論評

アラブ各紙


 【カイロ=岡崎衆史】十四日投票のスペイン総選挙でアスナール首相率いる与党・国民党が敗北し野党・社会労働党が勝利したことについてアラブ諸国のメディアは、国民の意思に逆らってイラク戦争・占領に加担した結果だと述べるとともに、選挙結果の影響がイラク戦争を共に進めた米英両国などにも及ぶ可能性を指摘しています。

 アラブ首長国連邦(UAE)のガルフ・トゥデー紙十六日付(電子版)は「戦争反対の票」との見出しの社説を掲載。総選挙での野党勝利は、九割を超える国民がイラク戦争に反対し、スペイン軍のイラク駐留を認めていない中で、「アスナール首相がイラク戦争に引き込んだことに怒った」ためだと指摘しています。

 同紙は、選挙敗北が「イラク戦争に反対する国民の意思に逆らい、戦争を正当化するために政府を混乱に導いたことの代償を払ったものだ」と強調。「選挙結果はスペインの国境をはるかに越えて影響を及ぼす」と述べ、アスナール政権同様、民意に反してイラク戦争に加担した英国のブレア政権を「悩ませ」、戦争推進の張本人のブッシュ米大統領の再選にも「警報」となったと主張しました。

 同じUAEのガルフ・ニューズ紙十六日付(電子版)の社説も、「世論を無視し続けた首相の敗北」だと記述。選挙結果は、米国主導のテロとのたたかいに何の疑問もなく従ったアスナール首相に敗北の辛酸をなめさせ、政策の誤りを気づかせることになったと述べました。

 同社説は、「人々の声に耳を貸さない他の指導者にも同様の運命が訪れる可能性が大いにある」と述べ、イラク戦争や占領を支持する他の政府に影響が拡大する可能性を指摘しました。

 同紙十六日付の論評は、「与党の敗北が、他の世界の人々と同様にスペイン国民も先制攻撃や占領、政権交代といった米国の外交政策を拒否していることを明らかにした」と強調しました。

 レバノンのデーリー・スター紙十五日付(電子版)の社説は、アスナール政権が支持した米国主導のテロとのたたかいが、テロ・ネットワークの大幅削減につながらないどころか、欧州、サウジアラビア、モロッコ、インドネシアなどで、一般人や民間施設などの「軟らかい標的」を対象にするテロを引き起こしていると懸念を示しています。

 その上でスペインがイラク戦争に加担したためにテロの標的になったとしたならば、「現在の対テロ戦争は、新たな標的へのテロを誘発していることを証明することになる」と警告しました。

 ヨルダン・タイムズ紙十五日付(電子版)の社説は、「世界の国があらゆる種類のテロとたたかうため、より効果的な方策を採用する努力が必要だ」と述べました。


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