日本共産党

2004年3月2日(火)「しんぶん赤旗」

危険な派兵の現実なし

自衛隊“踊り”のCMに批判


 軽快なリズムにのって護衛艦の上で踊る水兵姿の若者…。海上自衛隊が一日、東京・渋谷駅前のビル大型スクリーン三面を使ったCMを始めました。陸上自衛隊も同日、CMを始め、空自も今月末放映の予定。自衛隊のCM大作戦に強い批判の声が上がっています。

 渋谷駅頭で、友人を待っていた男性(20)は、「えっこれ海上自衛隊の宣伝なんですか」と驚き、「なんで自衛隊が踊りなのか、つながらない」と、首をかしげます。

 春休み中の高校生(18)は、このCMをワイドショーで見たといいます。「自衛隊って軍隊でしょう。明るすぎる」。その友人(17)は、「画面の印象はきれいだけど」といい、イラクへの自衛隊派兵について「非戦闘地域への派遣と約束しながら、危険なところへ派遣するのはおかしい」と話します。

 海上自衛隊がCMを放映するのは初めての試み。防衛庁(広報)によると制作費五百五十万円、放映費二百万円。

 ホームページによればCMの目的は「役割や現状を広く理解していただくため」。ひるがえる旭日旗を背景に子どもの笑顔が浮かぶなど、新しい手法が特徴です。

 新婦人練馬支部事務局長の山口智子さん(44)は、「ニュースでCMを見ました。イメージの向こうにイラク戦争の現実や派兵でつらい思いをしている人がいるということがわからない。地元朝霞の陸上自衛隊広報センターでもアイドルやゲームをつかって子どもや若者をとりこもうとしています。そんなやり方は許せないし怖い」といいます。

 日本高等学校教職員組合の北野庄次書記長は、「子どもたちへのダイレクトメールや路上勧誘など就職ルールを無視した自衛隊勧誘を問題にしてきましたが、就職難の今、若者の囲い込みがエスカレートしてきているということで見過ごせない」。


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