日本共産党

2004年2月28日(土)「しんぶん赤旗」

イラク派兵の深層 (5)

ともにたたかう日米軍へ

“血の同盟”


 “血の同盟”―。自民党内では今、自衛隊が海外で米軍とともに血を流す日米同盟にすべきだ、という声が公然と上がっています。自民党の安倍晋三幹事長は、著書『この国を守る決意』(一月発行)で次のように語っています。

 「軍事同盟というのは“血の同盟”です。…しかし今の憲法解釈のもとでは、日本の自衛隊は、少なくともアメリカが攻撃されたときに血を流すことはないわけです。…完全なイコールパートナーと言えるでしょうか」「日米安保をより持続可能なものとし、双務性を高めるということは、具体的には集団的自衛権の行使だと思いますね」

■軍事再編へ

 日米同盟の“血の同盟”化は、米軍が進めている地球規模での軍事態勢の変革(トランスフォーメーション)に連動した動きでもあります。

 この軍事態勢の変革には「同盟国の役割拡大」(米国防総省)が重要な柱として位置付けられています。イラク戦争に象徴されるような、米軍の世界規模での軍事作戦に同盟軍をいっそう深く組み込むという方針です。

 たとえば、米太平洋海兵隊のグレグソン司令官は、自衛隊と米軍が共同使用する岩国基地(山口県)の例などを挙げ、「われわれの部隊は(同盟軍と)ともに訓練し、ともに迅速展開し、ともに生活する」とのべています。(米海軍協会機関誌『プロシーディングス』二月号)

 それは「現在は数カ月かかる強力で決定的な反攻を、同盟・友好諸国と連合して数日のうちに始め、数週間で終える」ことを可能にするためだとしています。

 日本ではすでに、米国の新しい軍事戦略に合わせて日米両軍の役割分担を新たに見直す動きがでています。「巡航ミサイル、空対地攻撃ミサイル、無人偵察機、多目的軽空母、偵察衛星、空中給油機などの装備が必要」(森本敏・元外務省安全保障政策室長、『外交フォーラム』二〇〇三年七月号)だと、他国への侵攻を可能にする兵器・装備の導入を求める声も上がっています。

 昨年十二月、ファイス米国防次官はワシントン市内の講演で、日本を含め「アジア太平洋地域の同盟諸国はアフガニスタンやイラクで役割を果たしている」と指摘。今後の軍事態勢の変革について「同盟・友好諸国が彼ら自身の軍隊、戦略、(軍事)方針を現代的なものに変えるのを促進することが狙いだ」とあけすけに語っています。

■改憲へ直結

 “血の同盟”化は、憲法改悪の動きにも直結します。

 アーミテージ米国務副長官は二日、東京都内の講演で「日本の憲法が(集団的自衛権の行使を)禁止していることが、多かれ少なかれ、同盟協力の障害物になっている」と強調。「憲法を変えるのか、(憲法)九条の解釈を変えるのか」を「政治家に自由に議論させるべきだ」と語りました。

 十日の衆院予算委員会。集団的自衛権の問題で、小泉純一郎首相はアーミテージ氏と口裏を合わせたように「時代に合ったように憲法を改正するのもいいであろう、改正しないのであれば解釈において変更するのもいいであろう、それは議論の余地が大いにある」とのべました。(つづく)


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