2004年2月25日(水)「しんぶん赤旗」
【カイロ=岡崎衆史】「壁建設はアパルトヘイト(南アフリカのかつての人種隔離政策)と同じだ。すぐに除去を」―。ヨルダン川西岸にイスラエルが建設中の分離壁をめぐって、国連の国際司法裁判所(ICJ)で審理が始まった二十三日、パレスチナ各地で壁建設に反対するデモ行進が行われ、一万人を超える人々が参加。レバノンやエジプトなどでもこれに連帯する集会やデモが開かれました。
現地からの報道によると、パレスチナ自治区のデモは、ラマラ、ジェニン、ナブルスなどヨルダン川西岸のほとんどの主要都市とガザ地区で行われ、四色のパレスチナの旗や「壁を除去せよ」などと書かれた横断幕をもった人々で埋まりました。
東エルサレム近郊のアブディスではパレスチナ自治政府のクレイ首相が約三千人を前に演説。「壁は治安目的ではなく、パレスチナ人の土地を奪い、二十五万人を囲い込むものであり、断じて受け入れられない」と強調しました。
自治政府のアラファト議長もデモ開始前にテレビで演説し、建設中の壁をパレスチナの町や村を刑務所や収容所に変える「アパルトヘイトの壁」「もう一つのベルリンの壁」だと批判。イスラエル軍の占領地からの撤退を求めた国連決議を尊重し、正義や国際法、人権を支持するようICJに求めました。
一方、カタールの衛星放送アルジャジーラ(電子版)によると、レバノン南部のパレスチナ人難民キャンプでは約四千人、エジプトでは学生を中心に約七千人が壁建設に反対・抗議するデモに参加しました。