2004年2月23日(月)「しんぶん赤旗」
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タイヤ脱落事故が東名高速道路(全長三百四十七キロ)の大井松田―清水間(九十キロ)とその周辺国道だけでも、十一年間に二百四十四件起きていたことが二十二日までに本紙入手の資料で分かりました。
十八日に北海道江差町でダンプカーのタイヤが脱落し歩道を歩いていた三歳の保育園児が亡くなる痛ましい事故が起きたばかり。関係者は、全国的な調査とともに脱落防止の緊急対策の必要性を訴えています。
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資料は、同区間で事故・故障車を救済する全日本高速道路レッカー事業協会・日本ハイウエイセーフティ研究所(加藤正明所長、静岡・沼津)が一九九二年から二〇〇二年までの十一年間の事故をまとめたもの。
事故車は、大型トラックや大型トレーラーだけでなく乗用車やワゴン車もあります。
メーカーや走行距離を問わず発生しており、タイヤ脱落が大型車や特定車種だけの現象でないことが分かります。
脱落に至る原因は、北海道の事故同様に、ホイールボルト折損が六十七件、ハブベアリング焼き付きが百四十六件、ブレーキドラムやホイール割れが三十一件となっています。
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三菱製大型車が〇二年一月に横浜市で起こした脱落事故は、車軸と車輪をつなぐ部品「ハブ」が破損するものでした。
加藤所長は「全国調査と緊急対策が必要だ。ハブの破損は原因としてはまれな例だ。タイヤ脱落はそれ以外の原因で頻繁に起きている」と警告します。
また、ホイールボルトの折損について「大型車のボルトは直径二十ミリもあり材質的問題はない。電動工具で締め付け過ぎるとねじ山をつぶし緩みが生じる。適切な点検・整備を実施することが重要だ」といいます。