日本共産党

2004年2月18日(水)「しんぶん赤旗」

消費税増税 なぜなぜ 問答

公共事業減らして大丈夫?

生活重視型にすれば大きな効果


グラフ

 ムダを削れば消費税に頼らなくても当面の財源を生み出せるというけれど、公共事業を減らして地域経済は大丈夫なの?

 大丈夫です。一九九〇年代に年間五十兆円にも膨張した公共事業を、ムダで環境破壊をすすめる大型事業から「生活・福祉・防災・環境」重視に切り替えれば、総額をバブル前の水準の二十五兆円程度にまで削減しても、地域経済を回復させることはできます。

 国民生活優先の公共事業は、巨大開発よりも中小企業、雇用への波及効果は大きくなっています。

 たとえば、東京都が発表している資料によると、八八年度から二〇〇二年度まで臨海副都心での中小企業の受注率は、総額の8・2%にすぎませんでした。ところが、九八年度から〇二年度の都の福祉・住宅・教育関係の中小企業の受注率は、80・3%でした。大型開発と生活関連では、中小企業の占める比重が十倍も違うのです。

小規模なほど

 雇用の面ではどうでしょうか。今では集計をやめてしまった国土交通省の「公共工事着工統計年度報」という統計資料があります。九八年度の値をみると、工事費が五億円以上だと百万円あたりの労働者数は九人にすぎません。一方、工事費が百万円以上、五百万円未満だと百万円あたり二十人の労働者が雇用されていました。これは、公共事業の規模が小さいほど、雇用効果は大きくなることを示しています。

工事費も抑制

 地域密着型にすれば、工事費も抑えることが可能です。長野県栄村では、農民が主役になって小規模なほ場整備事業である「田直し」事業を進めています。国の補助事業だと国基準に合わせるため大規模になってしまいます。そこで、栄村では、村単独の事業に切り替えました。すると費用は国の補助事業に比べ平均して四分の一近くに抑えることができたのです。

 そもそも、地域経済を破壊してきたのはだれでしょう。これまでの歴代自民党政府は、農産物の輸入自由化をすすめ農村を疲弊させてきました。電機や自動車を中心にした製造業の海外移転による「空洞化」も野放しです。中心商店街をシャッター通りにした大型店への規制緩和をすすめたのも自民党政府でした。

 実は、大手ゼネコン本位の大型公共事業は、大企業・財界本位で進められてきた農業政策、産業政策の問題を覆い隠すための雇用対策という側面をもってきました。その中で、地域経済も公共事業に依存する体質が生み出されてきたことも事実です。小泉内閣が進めている公共事業政策は、「都市再生」をうたい文句に、すでに破たんした巨大公共事業を装いを新たにすすめる一方で、地域経済にとって必要な公共事業を切り捨てるものです。

 消費税増税を許さず、ムダを省きなさいというたたかいは、巨大公共事業を推進する小泉流「公共事業改革」の路線を転換し、住民本位の地域経済をつくり出すたたかいでもあります。その力の源泉は、地域の働く人たちの共同の力です。


もどる
「戻る」ボタンが機能しない場合は、ブラウザの機能をご使用ください。

日本共産党ホームへ「しんぶん赤旗」へ


著作権 : 日本共産党中央委員会
151-8586 東京都渋谷区千駄ヶ谷4-26-7 Mail:info@jcp.or.jp