2004年2月17日(火)「しんぶん赤旗」
行政の支援を受けずに、住民が出資・運営する全国でも珍しい路線バスが十六日、京都市伏見区で運行を開始しました。
地下鉄の開通によって一九九七年に市バスの路線が廃止された直後から、「醍醐の交通問題を考える会」(久保絹子事務局長)が結成されて、小型循環バスを望む住民運動が広がり続けるなか、自治会も動き出すなど、住民らの熱意で実現したものです。
地元の寺院や病院などからも資金協力を得ています。
運営主体は「醍醐地域にコミュニティバスを走らせる市民の会」(村井信夫会長)。住民約百五十人が各三千円―一万円を出資したほか、観光客や利用者の増加が見込める沿線の寺院や病院、商業施設も「運行協力金」などの名目で支援します。
四路線、延べ約三十五キロの間に、住民の意見を取り入れて百七カ所の停留所を設置。市バスは幹線道路沿いだけでしたが、高台にある住宅地や観光名所を回るよう路線を整備しました。料金は一律大人二百円、子供百円で、乗り放題の一日乗車券が三百円。
住民運動と連携し、市議会で醍醐地域への小型循環バス導入を求めてきた、日本共産党の西野佐知子市議は「住民の努力でバス路線が実現したことは素晴らしい。しかし、当初から赤字が心配されています。バスが走り続けるためには、敬老乗車証が使えるバスにするなど、市の支援が必要です」と話しています。