日本共産党

2004年2月10日(火)「しんぶん赤旗」

台湾の「元慰安婦」訴訟二審判決

被害者の訴え届かず

東京高裁


 戦前、旧日本軍により強制的に「慰安婦」とされた台湾の女性被害者が日本政府を相手に一人一千万円の損害賠償と公式謝罪を求めた裁判の控訴審判決が九日、東京高裁でありました。石川善則裁判長は、国家賠償法施行前の日本軍の加害行為について、「国が民法の規定によってその権力的作用による損害の賠償責任を負担するものと解することはできない」として、一審の東京地裁判決を支持、被害者側の控訴を棄却しました。

 開廷を前に、法廷に入り切れない傍聴者が集まりました。台湾から来日した四人の被害者・遺族が判決を見守りました。石川裁判長は、ごく短く「棄却」を告げると、法廷を後にしました。被害者らに翻訳する時間もありませんでした。

 判決後、被害者らは上告する方針を明らかに。清水由規子弁護団長は、事実認定さえしない判決にたいし、被害者を「二次被害にあわせるような判決」と批判しました。

 盧満妹さん(79)は「私が死んでも、子や孫が引き継いでいくと思う」と、あきらめずにたたかう決意を表明。タロコ族のイアン・アパイさん(74)は「言葉で言い表せないほど心が痛みます」と語りました。

 鄭陳桃さん(83)は「あまりにもずるい。私たちに何も話させず終わってしまいました。裁判は負けても、私の心は負けません」と話しました。

 一週間前に死去した母の遺影を手にした高秀珠さんは、裁判長が判決後五秒もしないうちに立ち去ったことに怒り、「すべてのおばあさんたちとともに、たたかいつづけます」とのべました。


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