2004年2月8日(日)「しんぶん赤旗」
日本エアシステム(JAS)のMD81、87型両機のエンジン損傷問題で、JASが経費削減目的で整備委託先を変更したためトラブル発見が遅れた可能性が出ていますが、整備を全面委託することによりJASは十年間で五十八億円もの整備費を削減できるとしていることがわかりました。
JASはMD81、87型両機搭載のエンジンJT8D―200シリーズの整備を石川島播磨重工業に委託していましたが、一九九九年十一月末から十年契約で米プラット・アンド・ホイットニー(P&W)社のコロンバスエンジンセンターに変更しています。
契約はFMP(フリート・マネージメント・プログラム)と呼ばれ、あらかじめ取り決めたエンジン飛行時間あたりの整備費を支払う方式。
これまでの五千時間でオーバーホールしていたのに比べ、整備会社の判断で整備全般を取りしきることができます。航空会社にとっても、高価な予備部品の購入・管理をしなくてもすみます。
P&W社のロバート・ワイナー副社長は「日本の航空会社として初めて、単一機材の大型ジェットエンジンのすべての整備をエンジンメーカーに委託した」と述べています。当時、「JAS整備本部、競争力強化で構造改革進める」と報道した週刊誌『WING』(二〇〇〇年三月二十九日号)によると、十年間で五十億円の整備費削減が可能で、しかも予備部品在庫八億円も持つ必要がなくなり、「その費用削減効果は絶大となる」と指摘されています。