2004年2月7日(土)「しんぶん赤旗」
|
【モスクワ=田川実】モスクワ市内南部のパベレツカヤ駅からアフトザボツカヤ(「自動車工場」の意)駅に向かう地下鉄電車の二両目で六日午前八時半ごろ爆発があり、ロシア内務省によると、死者は三十九人に達し、百二十二人が負傷しました。
モスクワ地下鉄は一日延べ九百万人が利用する市民の不可欠の足。電車は通勤客らで満員で、乗客らの話では、窓ガラスが飛び散り、煙がたちこめ、パニック状態に。両駅には百台を超える救急車が集まりました。
インタファクス通信は現場から爆破装置が見つかったと伝えており、ロシア内務省は通勤ラッシュを狙った自爆テロとみて調べています。プーチン大統領は同日、訪ロ中のアゼルバイジャンのアリエフ大統領とともに会見し、「二十一世紀の疫病・テロは、国際社会の団結でのみ克服できる」と語りました。
モスクワでは昨年も、ロシア南部チェチェン共和国の独立派武装勢力がらみとみられる自爆テロが、ロックコンサート会場、国会近くの通りでありました。ロシアの報道によると、モスクワでは一九九六年から爆破事件で三百九十人が犠牲になっています。
チェチェンでは、ロシア軍と武装勢力の散発的な戦闘や爆破事件が続いています。
来月十四日の大統領選で再選が確実視されているプーチン大統領は、軍事的対応とともに、住居など社会インフラの再建に力を入れ始めていますが、事件は問題の解決の難しさを示しています。