日本共産党

2004年1月31日(土)「しんぶん赤旗」

「イラク開戦理由はウソ」

ケイ証言 米大統領に批判強まる


 【ワシントン=遠藤誠二】開戦時イラクに大量破壊兵器はなかったと断言した米国のケイ前イラク調査グループ(ISG)団長(元中央情報局=CIA=特別顧問)の発言が米国内に波紋を広げています。ブッシュ大統領は必死に言い訳していますが、民主党やマスコミは、うそで固められた戦争だったと批判を強めています。


 ブッシュ大統領は二十七日の記者会見で、「フセインが米国と世界にとって重大な脅威だったことは疑いない」「彼がいなくなって世界は良くなった」と述べ、大量破壊兵器のことにふれず、フセイン元大統領を倒したことだけでイラク戦争を正当化しました。

 大量破壊兵器が発見されなくてもイラク戦争は正しかった−ケイ証言後、ブッシュ政権はこうした理屈を展開し始めています。

 しかしフセイン政権の大量破壊兵器保有を最大の理由にイラク戦争に踏み切った事実は消しようがありません。

 民主党の大統領候補ケリー上院議員は、「戦争はあくまで最後の手段だという合法性」を破壊して開戦したと批判。同じく民主党候補のディーン前バーモント州知事は、米情報機関による間違った情報に基づいて戦争理由を「でっちあげた」と指摘。「かなり深刻なことだ」と非難しました。ロックフェラー上院議員(民主党)も「推測に基づいて戦争に踏み切った。戦争で毎日、人が死んでいる」と語りました。

 二十九日付のニューヨーク・タイムズ紙は社説で、英ブレア政権は大量破壊兵器をめぐる誇張疑惑の独立司法調査に協力したが、「ブッシュ政権はいまだに逃げの戦略をとっている」と厳しく論評。「サダム・フセインがいかに非道だったかという問題にすりかえようと試みても、国際的支持なしに戦争という向こうみずな行動に踏み切った根拠は、生物化学兵器、核兵器の存在だったではないか」と主張し、イラク問題で何が間違いだったのか独立機関による調査の必要性を説いています。


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