日本共産党

2004年1月27日(火)「しんぶん赤旗」

イラクの大量破壊兵器保有

首相「断言できない」

戦争支持の前提崩れる

穀田議員「断定の誤り認めよ」

衆院予算委


 日本共産党の穀田恵二議員は二十六日の衆院予算委員会でイラクへの自衛隊派兵に関連し、小泉純一郎首相がイラク戦争支持の「大義」としていた大量破壊兵器の存在について追及し、首相に「未解決なのは事実だ」と認めさせました。

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質問する穀田恵二国対委員長=26日、衆院予算委

 穀田氏は、イラクでの大量破壊兵器調査団の責任者だった米中央情報局(CIA)特別顧問が「大量破壊兵器はもともと存在しなかった」と明言したことを示し、首相を追及。かつて保有を断定していたパウエル米国務長官が「あったのか、なかったのか、疑問のまま残っている」「未解決の問題だ」と発言していることを取り上げました。小泉首相は「未解決なのは事実だ。いま、もっているとも、もっていないとも断言できない」とのべ、確証もないままイラクが大量破壊兵器を保有していると断言したことを認めさせました。

 穀田氏は「断定したことは誤りだと認めるべきだ」と迫りましたが、小泉首相は「将来見つかる可能性もあるかもしれない」と言い逃れました。

 穀田氏は「イラク戦争開戦を前にして、国連では査察継続が多数だった。そのとき首相は『大量破壊兵器が独裁者によって使われたら何万人あるいは何十万人という生命が脅かされる』と危機感をあおって戦争支持につきすすんだ」と指摘。「『イラクは大量破壊兵器を保有している』と断言してイラク戦争を支持したが、『未解決』ならばその前提は崩れ去った」と批判しました。

「自衛隊は指揮下に」

占領軍司令部が明言

本紙への回答示して迫る

 「自衛隊は占領軍指揮下に入る」―。日本共産党の穀田恵二議員は衆院予算委員会で、イラク占領軍司令部が「自衛隊は(イラク現地で)第七連合統合任務軍(CJTF7=イラク占領軍)の指揮下に入る」と認めていることを明らかにし、不法な占領支配への加担は憲法違反だと追及しました。

 これは、「陸上自衛隊はCJTF7の指揮下に入るのか、あるいは独立して活動するのか」との本紙の質問に司令部が回答したことにもとづくものです。

 穀田氏は、「首相は、自衛隊は占領行政の一翼を担うものではない、と繰り返しているが、現実には指揮下に入ることだ」と追及しました。

 小泉純一郎首相は「占領軍の一翼を担うことが認定されているわけではない」とのべましたが、「それなら証文を出せ」との穀田氏の指摘に、根拠を示すことができませんでした。

 穀田氏は、「占領行政への加担は憲法九条で禁じている交戦権そのもので、明白な憲法違反だ」と指摘し、自衛隊派兵の中止を訴えました。

 イラク占領軍は米軍を主体としており、「抵抗軍の打破、不安定勢力の無力化のための攻撃的作戦の実行」(同軍ホームページ)を任務としており、現在三十六カ国が参加しています。


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