日本共産党

2004年1月24日(土)「しんぶん赤旗」

自衛隊派遣地域で劣化ウラン弾発見

広く放射能汚染の可能性

オランダ軍人労組委員長語る


 【ハーグ(オランダ)=西尾正哉】オランダ軍兵士などが加入するオランダ軍人労組(AFMP)のバンデンブルグ委員長は本紙の取材に対し、イラクで活動するオランダ軍がムサンナ州で劣化ウラン弾を発見したと語りました。AFMPは陸海空軍の兵士、司令官など二万五千人を組織するオランダ最大の軍人労組です。

 オランダ軍は現在、日本の自衛隊が活動するイラク南部ムサンナ州を拠点に活動していますが、同地域が劣化ウラン弾の放射能によって広範に汚染されている可能性があります。

 バンデンブルグ委員長は二十日、「二週間前に、オランダ軍がウラン弾と直面する事件があった。そこに劣化ウラン弾が存在するという情報は事前にはなく予想外だった」と述べ、イラク駐留のオランダ軍兵士が米英軍によって使用されたとみられる劣化ウラン弾を発見したことを明らかにしました。

 委員長は、兵士が劣化ウラン弾を発見した際、「劣化ウラン弾をどのように扱うかは、われわれの兵士は知っている。しかし予想外だったために準備ができていなかった。しかし劣化ウラン弾に触れることはなかった」と述べました。

 委員長はまた、「オランダ国防省に対し、米国防総省がどのような情報を持っているのか、たずねるよう要請した。どこで使用されたかは、米国が知っているからだ」とし、「まだ回答はない」と語りました。

 劣化ウラン弾は、戦車に穴を開けて内部を破壊して燃焼させる目的で使用されます。放射線を出すウラン二三八を主体に構成されており、湾岸戦争で多用されました。イラクではこれまでに白血病、リンパ腫などあらゆる種類のがん、腫瘍(しゅよう)が多発しているといいます。米軍は“劣化ウラン弾は安全”と主張してきました。


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