日本共産党

2004年1月20日(火)「しんぶん赤旗」

日本共産党国会議員団総会での

志位委員長のあいさつ(大要)


 十九日の日本共産党国会議員団総会で、志位和夫委員長がおこなったあいさつ(大要)は、次の通りです。

 みなさん、おはようございます。国会の開会にあたりましてごあいさつを申し上げます。

 一昨日、閉会した第二十三回党大会は、新しい綱領を決定するとともに、それを当面するたたかいに具体化した大会決議を採択し、歴史的な成功をおさめました。この国会は、この大会の成果が国政の舞台で初めてためされる大事な国会であります。そしてまた、半年後にせまった参議院選挙にむけて、各党がしのぎを削る熱いたたかいをくり広げているさなかでの大事な国会となります。

 国会の開会にあたって、大会の成果をふまえ、国民の期待にこたえて、わが国会議員団がその真価を発揮した奮闘をおこなう決意を、まずおたがいに固めあいたいと思います。(拍手)

新しい綱領を論戦に存分にいかそう

 私が強調したい第一は、大会で決定された新しい綱領を存分に生かした国会論戦をやろうではないかということであります。

 この国会で問題になることを考えてみますと、どの問題をとってみても二十一世紀の日本の進路、命運にかかわる重大問題ばかりです。どれ一つとってもほんとうに深刻で重大な問題です。

 たとえば、平和の問題では、イラクへの自衛隊派兵の問題が最大の焦点となります。あわせて憲法改悪にむけての動きの第一歩が、国民投票法案という国会での具体的な議案という形であらわれる危険がつよまっているなど、憲法問題そのものが熱い争点となります。

 それから、暮らしの問題では、年金大改悪をはじめとする国民負担増の問題、さらに消費税増税の動きなど、国民生活を破壊する空前の攻撃とのたたかいが大争点となってきます。

 いまあげた国会の重要な争点となる問題は、どれ一つとっても、新しい綱領が明らかにした「現在の日本社会の二つの特質」と深く結びつき、それに直結した問題です。

 イラクへの自衛隊派兵と憲法改悪の問題の根本には、綱領が規定した「きわめて異常な国家的な対米従属」という問題があります。それから年金の大改悪と消費税増税の動きの根本には、大企業・財界がみずからの税金や社会保険料負担を軽減して、それを庶民の負担におしつけるという、「大企業・財界による横暴な支配」という問題があります。

 いま多くの国民が「このままではいけない」と不安を感じ、「何とかしたい」と打開を求めているどんな問題でも、その根本には綱領が明らかにした日本社会の二つの異常なゆがみ、二つの政治悪という問題につきあたりますし、新しい綱領はそれを打開するために、どういう改革が必要なのかということを体系的に全面的に明らかにしたところに、その最大の特徴の一つがありました。

 この政治的、理論的指針を、存分に生かした論戦を大いに展開し、当面する熱い問題と結びつけて、ほんとうの改革者の党が日本共産党なのだということを広く明らかにするスケールの大きい論戦をすすめていこうではありませんか。(拍手)

国民のたたかいと共同し励ます論戦を

 第二に、私が強調したいのは、国民のたたかいと共同し、国民のたたかいを励ます論戦を、ということであります。

 大会では、新しい綱領とともに、大会決議を採択いたしました。この決議を貫いている根本精神というのは、どんな分野でも、日本共産党が、国民の命と暮らしをまもる「たたかいの組織者」になろうじゃないかという呼びかけであります。

 平和の問題をみても、暮らしの問題をみても、小泉・自公政権の悪政のもとで、いま多くの国民が、やむにやまれぬ思いをもって、たたかいに立ちあがっています。

 たとえば、イラク派兵に反対するたたかいの広がりであります。多くの国民が、いわば「皮膚感覚」で、憲法が危ない、平和が危ない、そして命が危ないと、戦後かつてない危険が身近に迫っていることをみぬいて、全国でたたかいに立ちあがっています。

 安保廃棄中央実行委員会が集計している十二月以降のとりくみを、昨日いただいたのですが、それをみても、十二月以来、すでに四十七都道府県で、二百三カ所で集会とデモがおこなわれるなどの行動がとりくまれています。文字通り、北海道から沖縄まで国民の行動が起こっています。

 それからもう一つ、地方議会の動きをみましても、すでに全国で四百四十三の自治体で、派兵反対、中止、慎重さを求める意見書が採択されています。派兵部隊の中心となる自衛隊の基地があり、有権者の三分の一が自衛隊関係者だという北海道の旭川市の市議会でも、派兵中止を求める市議会決議が採択される。そういう状況が広がっているわけです。

全党と心を一つに参院選勝利へ奮闘を

 この国会では、イラクへの自衛隊派兵問題が、まず最初の熱い論戦の争点になります。昨日も、バグダッドの中心部でCPA(暫定行政当局)の本部が大規模なテロの対象とされるという事件が起こりました。無差別テロというのは、絶対に許されないことです。同時に、こうした泥沼化といわれる事態をひきおこしている根本には、無法な戦争と不法な占領支配へのイラク国民の反発、怒り、これがあることもまた間違いない。そういうなかに、憲法を破壊して、その占領に加担する形で自衛隊を出すことがどんなに道理がないかということは、明らかであります。

 この問題は、まさに日本国民とイラク国民の命にかかわる論戦です。国民のたたかいと共同し、それを励ますような論戦を大いに展開しようではありませんか。(拍手)

 この国会の会期は、だいたい五カ月ということになりますが、その直後は、参議院選挙です。大会報告では、参議院選挙をたたかう政治方針、活動方針とともに、機関紙読者を130%に増やしてたたかおうという提案をいたしました。これは緊急の提案であり、大変な中身の提案だったのですが、大会代議員のみなさんは、この提案を正面から受けとめ、真剣に議論し、そして提案に積極的にこたえてくれました。これはほんとうに大きな感動でした。

 参議院選挙にむけてこの方針の実践が始まっています。この方針の実践に正面から挑戦し、「しんぶん赤旗」という日本共産党と国民を結ぶもっとも重要なきずなを大胆に太くする活動にとりくみ、自らの力で参議院選挙での前進を切り開きたいと思います。参議院選挙での着実な前進をめざす活動で、われわれ国会議員団が全党のみなさんと心を一つにして大奮闘することを最後に誓い合って、ごあいさつとします。(拍手)


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