2004年1月15日(木)「しんぶん赤旗」
滋賀県豊郷町の歴史的建造物、豊郷小学校校舎の解体工事を強行し、住民から告訴・告発されていた大野和三郎町長(48)を県警警備二課と彦根署は十四日、建造物損壊容疑で書類送検しました。
書類送検されたのは、工事を命じた大野町長と請け負った業者七人。業者の一人は工事を止めようとした女性(50)に軽傷を負わせた傷害容疑も含まれています。建造物損壊罪の適用は、地裁の仮処分決定を差し押さえと同等とみたものです。
大野町長は同日、「三学期の授業に必要な教育用資材を搬出する措置で建造物損壊にあたらない」とコメント。住民団体の「豊郷小学校の歴史と未来を考える会」の本田清春代表は「遅きに失したという思いはあるが、書類送検は評価したい。地検には町長が解体にこだわった動機まで解明してほしい」と話しています。
大野町長は、住民の抗議のなかで校舎の保存を表明しましたが、同じ学校敷地内に新校舎建設を進めています。新校舎建設でも大津地裁は昨年十二月、工事費支出禁止の判決を出しましたが、大野町長は控訴し、工事を続けています。