2004年1月14日(水)「しんぶん赤旗」
長野県で開かれている教育研究全国集会は最終日の十三日も二十九の分科会で討論。「生活指導・自治活動」の分科会では制服廃止や文化祭の取り組みなどが報告されました。
来年度から制服が廃止される長野県立中野西高等学校の教員、矢島芳彦さんが三年間の活動を話しました。制服についての議論が始まったのは二〇〇〇年の冬から。アンケートやクラス討論を経て生徒総会で激論の末「服装自由化決議」が可決されたのが翌年の五月でした。決議を受けて教員による「服装検討委員会」が設置されました。
試験的に冬期間の「服装自由化」を実施し全校生徒にアンケートをしたところ、「体温調整がしやすい」「私服を楽しみたい」と私服賛成の一方、「楽だから」「私服を選ぶのが面倒」など制服維持の声が出されました。〇二年三月にいったん全員制服に戻しましたが、その後女子のほとんどが制服のベストを着用せず私服のベストで登校していました。教員からは「制服を制服として規定どおりに着用できないのなら制服を廃止するべき」だという意見が出され、〇三年一月に「〇四年度からの制服廃止」が職員会で了承されました。
矢島さんは「『制服は、同じ服装を強制し管理、統制するもの』と考え、教師が制服廃止を主導したが、生徒の総意としての自由化が望ましかった」と反省点を話しました。
分科会参加者から「生徒、父母、教員で学校運営を話し合う三者協議会のような場をつくりすすめていくべきでは」「現に管理、統制の中にある子どもたちに上から結果を押し付けるのでなく、子どもたちに自己決定権があることを気づかせ、実施する過程で討論することが重要」などの意見が出されました。