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2024年3月21日(木)

香港 国安条例が成立

審議わずか12日

人権抑圧さらに

 【北京=小林拓也】香港立法会は19日、国家安全維持法(国安法)を補完し、人権抑圧をさらに強化する「国家安全条例」を全会一致で可決しました。23日に施行されます。国安法のもとで市民の反対の声は抑えられ、親中派にほぼ独占された立法会では異論は出ず、審議日数わずか12日間という異例の速さで成立しました。


 香港政府トップの李家超行政長官は条例可決後、立法会で演説し、「きょうは栄誉ある使命を果たした歴史的な瞬間だ」と強調。中国国務院香港マカオ事務弁公室も声明で、「重要な一里塚だ。完全に支持し、熱烈に祝う」と表明しました。

 香港政府は8日に条例案を提出。立法会は即日審議を始め、土日も会議を開くなど異例の速さで成立させました。背景には、中国政府の指示があると見られています。

 国安条例は、国家への反逆行為や反乱、扇動に対し、最高で終身刑を科します。国家機密の取得や出版物などによる「扇動」に最高で禁錮7年が科せられ、言論の自由がさらに制限されることになります。スパイ活動、「海外勢力の干渉」などを厳しく取り締まります。外国の政府や政党、国際組織などを「海外勢力」と定義。中国・香港の政策、香港の立法や司法、選挙に影響を与える行為などを「干渉」と規定しました。

 20年の国安法施行、21年の選挙制度改変を経て、今回の国安条例成立で、香港の高度な自治をうたった「一国二制度」は完全に形骸化します。香港と中国大陸の一体化はさらに進み、国際経済都市としての香港の姿は、完全な変容をとげることになるとみられます。


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