2023年12月9日(土)

事務総長らを告発

上脇教授　パー券収入１３３８万円不記載

　自民党派閥「清和政策研究会」（安倍派）の政治資金パーティー収入を巡る不記載疑惑で、神戸学院大学の上脇博之教授（政治資金オンブズマン代表）は８日、同派の事務総長を務めてきた松野博一官房長官と西村康稔経済産業相、下村博文元文科相、高木毅・党国会対策委員長らを新たに政治資金規正法違反の疑いで東京地検に告発状を郵送しました。

　上脇氏はこれまでに安倍派の不記載額１９５２万円について告発していました。今回の告発状によると、２０１８年から２２年にかけて新たに計１３３８万円分のパーティー収入の不記載を告発しました。

　これで不記載額は計３２９０万円になります。他に告発されたのは、現座長で会長代理を務めた塩谷立（りゅう）元文科相、会計責任者、事務担当者です。

　この問題は「しんぶん赤旗」日曜版の特報が発端で、東京地検特捜部が捜査を進めています。

　安倍派は同じ団体に売ったパーティー券の代金を議員ごとに分散して報告する手法で、２０万円超を購入した団体名を政治資金収支報告書に記載していませんでした。同様の不記載は自民党の５派閥で常習的に行われ、所属議員がノルマを超えて販売したパー券の収入を議員側に還流させて裏金にしていた疑いも強まっています。

　上脇教授は、１８年以降の安倍派の事務総長を告発した理由について「事務総長は清和政策研究会の実務を取り仕切っており、会長とともに政治資金収支報告書の記載方針を決定する立場にあったからだ」と述べています。