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2023年8月1日(火)

7月豪雨災害 支援強化を

共産党国会議員団 防災相に申し入れ

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(写真)谷防災担当相(右から4人目)に豪雨災害対策を要請する党国会議員団=31日、内閣府

 日本共産党国会議員団は31日、谷公一防災担当相に対し、九州北部から東北地方にかけて記録的な大雨で甚大な被害をもたらした7月の豪雨災害について、被災者の生活と地域経済の再建に向けた支援強化を求める緊急申し入れを行いました。小池晃書記局長・参院議員、高橋千鶴子、田村貴昭両衆院議員、紙智子、仁比聡平、岩渕友各参院議員が申し入れしました。

 高橋氏が申し入れの内容を説明。河川堤防の崩落・決壊や都市部の内水氾濫、土砂災害が相次ぎ、農地農作物の被害も深刻な状況だとして、激甚災害指定や被災者生活再建支援法の適用、農業資材価格の高騰をふまえた支援策、中小企業への生業再建支援金などの拡大、被災したJR線の復旧・存続―など10項目の実現を求めました。

 高橋氏は「災害が続き、復旧事業が間に合っていない。ぜひ大臣のリーダーシップで、支援強化をすすめてほしい」と述べました。

 田村氏は福岡、熊本、大分の各県を視察した結果をふまえ「資材が高騰し、より一層の修理代が必要だ。支援法の柔軟な適用と、物価見合いの支援金拡充も検討いただきたい」と求めました。

 岩渕氏は、秋田県五城目町と三種町について「農業被害も甚大で、このまま続けられるか心配している農家も多い」と語り、農業や地域再建などの支援強化を要望しました。

 谷防災相は「梅雨期の大雨を激甚災害とする見込みだ。要望には可能な限り柔軟に対応し、国土交通省には気候変動を見据えた現状復旧にとどまらない復興工事もお願いしていく」と話しました。


7月豪雨災害対策緊急申し入れ全文

 日本共産党国会議員団が31日、谷公一防災担当相に届けた「梅雨前線による豪雨災害に関する緊急申し入れ」の全文は次の通りです。

 6月下旬からの梅雨前線の影響により、日本各地で線状降水帯が発生するなど記録的豪雨となりました。また、突風による被害も発生しています。

 国管理を含めた河川堤防の崩落・決壊や都市部の内水氾濫、土砂災害が相次ぎ、出穂を前にした水稲や園芸作物などの被害や農地・農業用施設の被害は深刻です。山地の崩壊による土石流の発生も多数確認されています。

 猛暑日がつづくなか、あと片付けなどに取り組む被災者などの健康管理に万全を期すことは喫緊の課題です。

 九州北部や秋田県など数年おきに大規模な災害が繰り返されており、再度災害を防止することを基本とした復旧とすることが切実に求められています。

 今後勢力の強い台風の襲来も危惧されており、一刻も早い生活再建と地域の再建に向けた以下の事項の実現を強く求めます。

1.猛暑がつづくなか、公営住宅や旅館なども活用した二次避難、みなし仮設など、被災者が安心してゆっくり休める生活の確保を急ぐこと。

2.この7月、九州から東北へと連続した梅雨前線がもたらした被害であることを考慮して、激甚災害(本激)の指定を早期に行うこと。

3.床上浸水戸数が多いことはすでに自明であるため、被災者生活再建支援法の適用を早急に行うとともに、適用要件の緩和や支援金の引き上げを検討すること。

4.被災家屋の被害認定にあたっては、断熱材の膨張など住家としての機能の被害程度を反映させるとともに、連続して被害を受けたことによる被害の拡大なども考慮すること。また、被害認定に係る職員や民間の派遣を図ること。

5.敷地内に流れ込んだ土砂や流木をはじめ、泥をかぶった家財道具などの処理に苦心し、かつ床下がどうなっているのか、まだ手がつけられずにいる家庭や事業所もある。環境省と国交省、内閣府防災との連携もとりながら、人的財政的支援を早急に行うこと。

6.水田や園地への冠水や流木等の流入、護岸崩壊などによる土砂の流失について、これまでは災害復旧と一体で処理してきたが、休耕田も多く、個所数も多いことから、これまでにない特別な支援を行うこと。また、農業用かんがい施設の被害による下流域への被害拡大を防ぐため、揚水ポンプの緊急整備や査定前着工を急ぐこと。

7.農業被害については、早急に被害の全容を把握するとともに、農業資材価格の高騰もふまえ、昨年、一昨年と同様かそれ以上のパッケージ支援策を実施すること。

8.中小企業支援は、数度の災害に遭っている被災事業者もいることから、かつてのグループ補助金や生業再建支援金などの支援策を拡大するとともに、零細な個人事業所、商店でも使えるような支援策を検討すること。

9.秋田市楢山や中津市耶馬渓などでは排水ポンプが水没、各地で中小河川や渓流を含めた氾濫や土砂災害などの危険地域における対策の遅れが顕在している。被災住民や自治体の意見をふまえ防災施設等の整備を確実に進めるとともに、浚渫(しゅんせつ)や伐採などの短期間でできる応急対策を明確にして再度災害に備えること。

10.住民の生活道路の復旧を急ぐとともに、被災したJR線の復旧・存続のために責任を果たすこと。


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