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2023年7月31日(月)

“自衛官戦死に備えよ”

元陸幕長 靖国神社「復活」唱える

 陸上自衛隊の元制服組トップが、自衛官の戦死に備えて靖国神社を国家の「慰霊顕彰施設」として「復活」させよと公然と主張していることが、改憲右翼団体「日本会議」の出版物の記事で分かりました。

 火箱芳文(ひばこ・よしふみ)元陸上幕僚長は『日本の息吹』8月号の「国家の慰霊追悼施設としての靖国神社の復活を願う」と題する記事で、軍事力の抜本的強化を図る安保3文書の閣議決定を「大いに評価」しつつ、自衛隊は国内法的には軍隊ではなく、「旧軍人と自衛官では国家の処遇、国民の意識が格段に違う」などとして、「近い将来国を守るため戦死する自衛官が生起する可能性は否定できない。我(わ)が国は一命を捧(ささ)げる覚悟のある自衛官たちの処遇にどう応えるつもりなのか」と問いかけています。

 その上で、戦後、「靖国問題」が放置されているのは「誠に残念」だとしつつ、「国家の慰霊顕彰施設」がない現状を嘆き、自衛官が「戦死」した場合、「筆者ならば靖国神社に祀(まつ)ってほしい」として、「国家の慰霊顕彰施設」としての靖国神社を復活させ、「一命を捧げた」(戦死した)自衛官を「祀れるようにする制度の構築が急がれる」などと主張しています。

 安保3文書に基づく憲法違反の敵基地攻撃能力の保有や、米軍と一体化した自衛隊が米軍の指揮下で相手国を攻撃する体制が強化されるもとで、戦死した自衛官をどう扱うのかという問題が切迫した課題となっていることが、火箱氏の主張からもうかがい知ることができます。


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