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2023年7月27日(木)

きょうの潮流

 韓国ドラマ「愛の不時着」が日本でも大ヒットしたのは3年前でした。韓国の財閥令嬢と北朝鮮の軍人男性が真実の愛にたどりつく物語。南北を断ち切る軍事境界線を越える場面が象徴的に描かれていました▼放送前に南北の首脳が3度の会談を重ねていたこともあり、当時は北朝鮮にむける韓国内のまなざしにも変化があったといいます。ドラマの視線も温かいと分析した社会学者も▼いまはどうか。北朝鮮はミサイルを撃ち続け、韓国軍は米軍とともに過去最大規模の実弾演習を断行しています。北朝鮮からの「全面攻撃」を想定して。核をめぐる互いの動きも緊迫を増し、不信と不安をいっそう募らせています▼大国の思惑によって同じ民族どうしが争い、数百万人が犠牲になった朝鮮戦争が休戦となってからきょうで70年。協定で設けられた軍事境界線はいまも分断と対立の最前線となり、戦争はなお続いています▼朝鮮半島の対立激化やロシアによるウクライナ侵略は、軍事や同盟強化の動きを地域だけでなく世界中にひろげています。日本でも岸田政権が大軍拡にふみだしていますが、それで平和がつくれないことは歴史が物語っています▼お互いを排除するのではなく、対話と合意をつみ重ねながら、少しずつでも不信感をぬぐっていく。大国の思惑に左右されない国づくりとともに。分断された半島に和解の機運が表れたとき、多くの人々が抱いた思いを現実とするためにも。


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