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2023年7月24日(月)

きょうの潮流

 各地の小学校で夏休みが始まりました。子どものころ、長い休みがすぐに終わってしまう感覚がありました。おとなになると、1年が短く感じるという人も多い▼あっという間に過ぎる時間と、ゆっくりと進む時間があるのはなぜか? 時間には計測できる物理的な時間と、心の中の時計で計る心理的な時間があると一川(いちかわ)誠・千葉大教授はいいます。感じる時間は身体の代謝や空間認識、体験の違いなど、さまざまな要因で伸びたり縮んだりすると▼大量の情報と商品に囲まれる現代。いま時間当たりの効果や満足度を示す「タイムパフォーマンス(タイパ)」を重視する人が増えているそうです。NHKのクローズアップ現代でもとりあげていました▼短時間で栄養がとれる食事、ながら聴きや倍速視聴で節約した時間を「推し」とかかわったり、癒やしや大切と思ったことにあてたり▼日本時間学会の会長も務める一川教授は、現代人の時間が速いのは忙しすぎるせいもあるとします。過去をふり返る時間もなく、出来事が記憶にも刻まれず時が過ぎてゆく。そこには時間を厳密化、高速化、均質化していく経済効率最優先の資本主義の弊害があると指摘しています(『「体感時間」は変えられる』)▼一生を90年とし三分の一が睡眠にあてられると仮定すると、活動している時間は53万時間に。自分の時間をとり戻し、人生を豊かにするために、限りある時間をどう過ごせばいいのか。それは、どう生きていくかということにもつながるでしょう。


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