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2022年9月28日(水)

きょうの潮流

 ものものしい警備のなかを国会へと向かいました。国をあげての葬儀などしなければ、ふたたび生前の問題を検証されることもなく、非業の死として弔われていただろうか…と考えながら▼市民の怒りがみなぎっていました。憲法や人の平等に反し、内閣の一存で弔意や敬意まで強制されたこと。反対多数の世論をおしきり強行されたこと。いくつもの理不尽さに対するそれぞれの思いが、かかげた横断幕やプラカードに込められていました▼さいたま市からきたという夫婦は安倍元首相の政治に異を唱えてきたといいます。「戦後最悪といわれた政治を行った人物を祭り上げ、時代錯誤の国葬がやられたことに自分の意思を示したかった。たくさんの人たちと気持ちを共有できる場があってよかった」▼さまざまな市民や団体、野党の国会議員らがかけつけた国会前の集会は政権の暴挙に抗し、幅ひろく連帯する姿を示しました。それは全国各地でも▼岸田首相は弔辞で「日本と世界の行く末を示す羅針盤」として、この先も力を尽くしてくれるものと確信していたともちあげました。そして以前、安倍氏が防衛大の卒業式で引いた新渡戸稲造の言葉「勇とは義(ただ)しき事をなすことなり」を本人に送ると▼抗議の声がこだました集会には、国内だけでなく海外のメディアも取材に訪れていました。あぶり出された統一協会と自民党との深いつながりの解明もこれからです。なすべき勇気と理性を世界に発信した人びと。歴史に刻まれるのは、どちらか。


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