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2022年9月24日(土)

きょうの潮流

 時代を築いた二人のテニス選手が第一線から退くことを表明しました。男子のロジャー・フェデラー(41)と、女子のセリーナ・ウィリアムズ(40)。ともにコートの内外で多くの人びとに影響を与えました▼史上最高の選手とたたえられ、華麗なプレーで魅了したフェデラー。つねに相手への敬意をもち、冷静にふるまう姿はアスリートとしてだけでなく人間としても“お手本”といわれました▼20年ほど前から自身の名を冠した財団を設立。母国スイスとアフリカの子どもたちを支援し、学校づくりなど教育の機会を設け続けています。いまもコロナ禍や戦争、貧しさに苦しむ子どもたちのために多額の寄付を惜しまず、人道的な活動は多岐に及んでいます▼史上最強と称されたセリーナはテニス以外でもたたかってきました。黒人選手への偏見や差別。観客からブーイングを浴び、コートで涙を流したことも。しかし姉ビーナスとともに屈せず、人種差別に抗する勇気と行動を世界に示しました▼育児との両立にも挑みました。出産翌年のウィンブルドン選手権で準優勝。スピーチで「すべてのお母さんたち! 私はがんばりました」と、仕事と子育てに励む女性たちにエールを送っています▼積年のライバル、ナダルとのダブルスで競技人生に終止符を打つフェデラーは「すばらしい旅だった」と。たくさんの選手やファンがあこがれ、夢を抱いた二人の存在。選手としての旅は終わっても、まいた種は芽となり、大きく育っていくでしょう。


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