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2021年12月9日(木)

新しいステージでの開拓・挑戦で、「4中総徹底と反転攻勢めざす特別期間」の成功を

2021年12月8日 幹部会副委員長 山下芳生

 山下芳生副委員長が8日行った「全党への訴え」は、次のとおりです。


写真

(写真)訴える山下芳生副委員長=8日、党本部

 全国のみなさん、連日の奮闘に心から敬意を表します。

 今日、党内通信とユーチューブでお話しすることにしたのは、本日の「赤旗」に掲載している常任幹部会の「訴え」が提起した「4中総徹底と反転攻勢めざす特別期間」のとりくみについて、直接、全党のみなさんにお伝えするためです。

「4中総徹底と反転攻勢めざす特別期間」の目標について

 6日の常任幹部会では、来年の参議院選挙勝利へ、4中総決定の全党徹底と反転攻勢をめざす活動にただちに踏み出すことがきわめて重要であると判断し、12月から来年1月末までを「特別期間」に設定し、常幹「訴え」にあるとおり、次の二つの目標をやりぬくことを、全党によびかけることにしました。

 ①1月末までに、4中総決定を全党員に届け、全支部・グループが討議・学習し、党員の読了・視聴で5割を突破する。改定綱領の読了でも5割を突破する。新しい比例目標の「650万票、10%以上」にみあった支部の得票目標を決める。党外の支持者にも、4中総の内容を知らせる。

 ②反転攻勢のための「3本柱の活動」に全党が踏み出す。とくに、大幅後退が続いている「しんぶん赤旗」読者拡大を「第1次・折り入って作戦」と結んで、この12月から必ず前進の軌道にのせる。世代的継承を中軸にした党員拡大でも、すべての都道府県と地区、支部・グループが具体化し、現勢で前進に転じる。

 なぜ、「特別期間」を設定し、こうした目標を掲げたのか。

 第一に、4中総決定の徹底は、文字通り「党の命運がかかった課題」だということです。

 4中総決定は、「心から納得できる決定だ」「総選挙後の、もやもや感、がっかり感が吹き飛んだ」と、深いところからの活力、勇気、確信を広げています。この4中総決定をすべての党員に届け、すべての支部で討議・具体化し、がっかりしたままの支部や党員を絶対に残さない。置いてきぼりの仲間を残さない。4中総の全党徹底自体を、まさに「政治対決の弁証法」のなかで、わが党のほんとうの成長をかちとり、参院選勝利・躍進を果たすために絶対不可欠の課題としてとりくむことが求められています。

 党機関や支部での4中総決定の討議では、さまざまな疑問や意見もすべて出し合い、一つ一つ解決しながら、丁寧に議論していくことが大切です。総選挙で悔しい後退を喫しただけに、一人ひとりの抱えている思いも出し合い、討議で深め、“よし、これでいこう”と、みんながふに落ち、前を向いて活動に踏み出すまで、くりかえし討議する。そのためにも、力を集中して、4中総決定の徹底をやりぬく「特別期間」にとりくもうというのが、常任幹部会の決意です。

 第二に、段階論にせず、4中総の徹底と、参院選勝利にむけた「3本柱の活動」で反転攻勢をかちとる活動の両方を、同時並行ですすめることが、どうしても必要だということです。

 臨時国会が始まりましたが、岸田政権は、この間、「安倍・菅政治の継承」というだけでなく、これまでにない危険性をあらわにしています。補正予算で過去最大の軍事費を計上する。「敵基地攻撃能力の保有」に踏み込む。それと一体に9条改憲の動きを強めています。いま、まさに日本共産党の役割が問われています。

 さらに、総選挙後も、激しい反共攻撃、共闘攻撃のキャンペーンが行われていることは決して看過できません。この間、与党や補完勢力、一部メディアから、「野党は批判ばかり」という非難が行われていますが、志位和夫委員長が国会議員団総会のあいさつで述べたように、野党がさまざまな提案を行っているという事実と異なる点でも、事実にもとづく批判こそ新しい政治を生み出す力になるという点でも、まったく不当なものであり、これは結局、自民党がどんなに間違った政治をやっても黙って従えという暴論です。

 こうした状況をふまえれば、いま、全党がただちに「3本柱の活動」と草の根からの要求運動に踏み出し、政治的にも、組織的にも、この12月・1月に押し返していくことが必要となっている。とくに、総選挙後、党員と「しんぶん赤旗」読者で大きな後退が続いている状況を、ずるずると続けるわけにはいきません。ここに「特別期間」の第二の目標の意義があります。

 そして、段階論にせず、実践に踏み出してこそ、4中総決定への理解も深まります。「3本柱の活動」に踏み出したところでは、相手から党に関わる疑問が出され、「反共攻撃にかみあって綱領を語る重要性がわかった」と4中総決定の力が実感されたり、宣伝や党勢拡大をすすめるなかで「次は参院選、ぜひ頑張って」と相手から党員のほうが励まされ、反転攻勢の可能性と条件もつかめるなど、参院選躍進に向けた方針への確信が実践と重ねて深められています。“徹底してから実践”と段階論にせず、ただちに「3本柱の活動」にとりくみ、とくに読者拡大でこの12月から必ず前進に転じ、世代的継承を中軸とする党員拡大でも前進の流れをつくりだしていく。徹底と実践を一体的・相乗的に進める立場で力をつくそうではありませんか。

「特別期間」にどうとりくむか――新しいステージのもとで新しい開拓・挑戦を

 それでは、「特別期間」にどうとりくむか。中央として、わが党が政権交代に真剣に挑戦するという新しいステージにのぼったもとで、「特別期間」のとりくみも、従来の延長線上でない、新しい開拓・挑戦を行って成功させる。この姿勢で、活動に臨んでいきたいと決意しています。3点述べます。

党機関・支部・党員が双方向で決定を深め、読了・視聴を広げる壮大な徹底運動に

 第一に、4中総徹底の運動を、党機関・支部・党員が、双方向で討議・学習を深め、読了・視聴をひろげる運動にしたいということです。

 4中総決定をふに落ちるまで討議・具体化しようとすれば、一方通行で「読め読め」という指導では、すすみません。それでは、支部や党員にとっても本当の力が出てきません。とくに党機関が、支部や党員から出される声をよくつかみ、4中総決定にもとづいて深める。異なる意見も受け止め、その背景に心を寄せつつ、党の決定の理解を深めて原則的に解決する。こういう姿勢で援助してこそ、活力に満ちた徹底運動になるのではないでしょうか。

 すでに、各都道府県・地区委員会でも、会議で全員発言ができないことをふまえ、4中総の感想と意見をアンケートで寄せてもらい、次の討議に生かすなど、工夫されています。

 そこで、中央としても、1月末まで2週間に1回、都道府県委員会から、県・地区・支部で4中総がどう受け止められているのか、どういう意見や疑問が出ているのか、報告を受け、それをもとに、決定を理解するポイントとなる内容を全党に発信し、決定を深める方向を返していくようにしたいと思います。

 また、“4中総と私”を語る運動にしていくことをよびかけたいと思います。4中総の結語では、発言のなかで、「早く読みたくなる、早く討議したくなる、早く伝えたくなる、これが今回の4中総だ」との発言が紹介されていますが、こうした「自分は4中総を読んでこう思った」「これを早く伝えたい」という思いをどんどん言葉にし、交流していくことは、大きな推進力となるのではないでしょうか。

 三重県鳥羽市の戸上健市議会議員は、自分の4中総の感想を、「議員だより」の全面を使って紹介し、読了・視聴をよびかけています。紹介します。

 「ユーチューブで4中総の志位委員長報告と結語を視聴しました。涙が出ました。熱い思いがほとばしりました。支配勢力の苛烈な共産党攻撃。志位さんは、攻撃は不屈にたたかう証しであり、それはわが党にとって誇るべきことではないでしょうかと訴えました。このくだりに、私は震えました。感動で五体がわなわなと震えました。…4中総は私、戸上健をよみがえらせてくれました。…みなさんのご感想はいかがでしょうか? きっと思いの丈がおありになったことでしょう。自分の党員人生と4中総がどう響きあったのか、みんなで語り合ってみませんか。そして参院選躍進へ力をあわせようではありませんか」

 こんな熱いメッセージがつづられています。

 総選挙は、政権交代への挑戦という新しいステージにたち、まさに全党のみなさんが党員人生をかけてたたかった選挙でした。それだけに、その新しいステージでの反転攻勢の方向を示した4中総も、党員人生と重ねて受け止める。そういう力をもった決定なんだと、私も深く感銘を受けました。それぞれの党員人生と4中総がどう響きあったか、おおいに語り合い、“4中総と私”を語る壮大な徹底運動にしていこうではありませんか。

 今日午前11時の報告によれば、指導的同志の読了は、県・地区役員88・2%、地方議員89・9%、支部長64・9%、支部委員58・2%です。指導的同志が一人残らず読了し、自分自身の感動もおおいに語って、討議・具体化、読了・視聴を広げましょう。大前提となる全党員への4中総決定の届けを、「党費のしおり」を活用した党費納入の向上と一体にやりぬきましょう。

“「赤旗」の前進で攻撃をはねかえす”――「第1次・折り入って作戦」と結んだ読者拡大を

 第二は、「3本柱の活動」や草の根の要求運動に踏み出しつつ、“「赤旗」の前進で攻撃をはねかえす”という構えで、「折り入って作戦」と結んだ読者拡大に思い切って力を注ぐことです。

 参議院選挙にむけて、7カ月前から、「折り入って作戦」と一体に読者拡大を前進の軌道にのせ、前回参院選時を回復・突破して選挙を迎えるというのは、近年成功したことのないとりくみです。しかし、現瞬間、このとりくみをただちに開始し、今月必ず前進をつくることが、政権交代に挑む新しいステージのもとでの、まさに「最初の関門」だということを訴えたいのです。

 この間、メディアによる反共攻撃、野党共闘攻撃は、いよいよ度を越したものとなっています。野党共闘を「惨敗」などと事実に反する報道をくりかえしているだけではありません。読まれた方もいると思いますが、6日付毎日新聞のコラム「風知草」では、日米安保条約、自衛隊、天皇の制度などについてのわが党の綱領の立場を「現実離れ」とののしり、アジア侵略につきすすんだ戦争指導者の「過去の成功にとらわれた慢心」「帝国は無敵・無謬(むびゅう)という過信」「人々の意思疎通の欠如、責任回避」などとなぞらえることまでして攻撃する、異常きわまりないものでした。侵略戦争に命がけで反対した日本共産党を、こともあろうに戦争指導者と重ね合わせて批判するとは、断じて容認できません。

 全党のみなさん。こんな卑劣な攻撃に絶対に負けるわけにはいきません。その反撃の何よりの力は、真実を伝え、社会進歩への希望を運び、わが党の綱領・理念・歴史・活動を毎日・毎週届ける「しんぶん赤旗」の前進にほかなりません。12月、なんとしても前進をかちとり、前回参院選時回復・突破への流れをつくり出そうではありませんか。

 なお、あすの「赤旗」(本日付3面)に「風知草」に対する全面的な批判論文が掲載される予定ですので、おおいに活用してください。

 今年は、例年の12月にはない条件も存在しています。1カ月余り前に、総選挙で416万人もの方が「日本共産党」と書いて投票しています。全党の奮闘で、1千万人と対話し、730万人の方に支持を広げています。結語で解明したように、その中には新たに党に期待を寄せた人々も多くいます。つい1カ月あまり前につくった財産がまだまだたくさんあります。

 「第1次・折り入って作戦」用の全国後援会ニュースが完成しました。このニュースと憲法署名、見本紙をセットで活用し、総選挙のたたかいを通じてつくりだした広大な可能性に大胆に働きかけていく活動に踏み出しましょう。攻撃がかけられている時こそ、4中総徹底と一体に、日刊紙の購読を重視し、党員の連帯のきずなを強め、党の綱領・理念・歴史をみんなが語れる党に成長しましょう。

世代的継承を中軸とする党員拡大――4中総にもとづく系統的努力を開始しよう

 第三に、世代的継承を中軸とする党員拡大を、絶対に握って離さず、4中総決定にもとづく系統的努力を開始することです。

 4中総決定は、「参議院選挙の勝利・躍進のためにも、『しんぶん赤旗』の配達・集金や党機関の体制の困難をはじめ党の現状に照らしても、何よりも党の将来を展望しても、この弱点を打開する活動に、全党の力を総結集してとりくみたい」と訴えました。

 世代的継承の努力は、選挙などになると中断してしまうということが、残念ながらありました。しかし今度はもうその反省をくりかえすわけにいきません。今月から系統的努力を開始し、揺るがず貫いて、青年・学生、労働者、30代~50代のなかに1万人の党員を増やし、参院選までに全体で1万5千人の党員を増やすとりくみのスタートを切ろうではありませんか。

 それでは今月、何から始めるか。すべての支部がとりくむ活動としては、4中総が党員拡大の教訓として述べた3点――①「入党しそうかどうか」ではなく、支部で広く結びつきを出し合う②党機関が一回一回の働きかけを評価し励ます③「楽しく元気の出る支部会議」の努力で「迎えても育てられない」というためらいを乗り越える――この党大会第二決議を指針にした努力を、まず開始しましょう。そして今月から、誰にどう働きかけるかの計画をもち、働きかけを広げる独自追求、独自の手だてを強めましょう。

 同時に、党機関として、4中総決定と、すでに送付した世代的継承についての4中総の発言集に学び、青年・学生、労働者、真ん中世代のそれぞれの戦略的・系統的なとりくみの計画をたて、推進することが不可欠です。今月11日、12日に予定されている民青全国大会にむけて、民青同盟は19年ぶりの現勢での前進をめざして大奮闘しています。党と民青の共同の事業として民青同盟員の拡大にとりくむとともに、青年・学生党員の拡大に力をつくしましょう。

 中央としても、経験を交流し促進するために、12月23日に全国青年学生部長会議、来年1月14日に全国組織部長・職場支部援助担当者合同会議を開くことを決めました。党機関がイニシアチブを発揮し、12月から実践に踏み出し、世代的継承での前進の道を探求・開拓し、その経験をもちよって会議を迎えられるように奮闘しようではありませんか。

 全党の同志のみなさん。4中総決定の本格的な徹底、実践のスタートとなる12月、1月、政権交代に挑戦する新しいステージのもとで、徹底でも、実践でも、従来の延長でないとりくみを開拓・挑戦し、わが党の反転攻勢への大きな流れをつくりだす「特別期間」にしようではありませんか。

 私も、全党のみなさんとともに知恵と力をつくす決意です。


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