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2021年12月6日(月)

きょうの潮流

 広島・長崎の被爆から76年、被爆者の高齢化がすすむなか、「ノーモア・ヒバクシャ」を掲げる核兵器廃絶のたたかいをどう継承するのか大きな課題です。広島市は2012年から被爆者の被爆体験と平和への思いを受け継ぐ「被爆体験伝承者」事業を始めています▼3年間の計画です。伝承したい被爆者の体験講話を作成し、模擬講話の合格となれば「伝承者」です。現在149人が学校などの依頼に応じて伝承講話を行っています▼神奈川から広島まで通い続けて20年4月から「伝承者」になった森川聖詩さんは広島で被爆した父をもつ被爆2世です。「被爆の実相を次の世代に伝える大切な事業です。同時に2世問題に光をあて顕在化させてこそ運動の裾野は広がるのではないか」▼2世問題とは「つきつめれば、放射線の遺伝的影響による健康の問題です。核被害の特徴は世代をこえて影響が及び、人間を苦しめること」だと。日本被団協がまとめた二世実態調査でも、6割が「不安・悩み」があると回答。悩みのトップは「自分の健康・放射線の影響」で、「自分の子どもへの放射線の影響」が続きました▼ウラン採掘労働者をはじめ核兵器をつくり始めた時から核被害は世界中にありました。核実験被ばく者も同様で、低線量被ばくとして2世、3世にも影響がありうるのです▼核兵器禁止から廃絶へ。これからは2世の悩みを被爆者と並走する活動にかえ、原発ゼロの運動とも連帯し、核(核兵器・原発・核実験)被害者救済と一体で。


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