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2021年11月22日(月)

きょうの潮流

 ラジオの英語講座は1925年、NHKの放送開始から間もなくスタートしました。最長寿番組ながら、太平洋戦争開始の41年12月8日に突然、中断を余儀なくされてしまいます。軍の外国語追放の方針によるものです▼その辺りのことはテレビ小説「カムカムエヴリバディ」に描かれています。ヒロインは、学生時代の夫から英語講座のことを聞き、ラジオに夢中に。勉学に励む彼の下宿の本棚には『日本資本主義発達史』が並んでいました▼戦後、復活した英語番組は大人気に。童謡「証城寺(しょうじょうじ)の狸囃子(たぬきばやし)」のメロディーに乗せて、英語で歌われたのがテーマソング「カムカム…」というわけです。今やテレビも含めて、外国語講座は根強いファンを持っています▼ところが現在、進められているのがラジオ第2放送の削減計画。第2放送には外国語講座以外にも、物語を届ける「お話でてこい」や「朗読」、視覚障害者に向けた番組など多彩なものがそろいます。公共放送ならではの編成です▼NHKは「スリムで強靱(きょうじん)な『新しいNHK』を目指す」と言い、外国語講座などはインターネットでカバーするとしています。聴くためにはパソコンやスマートフォンが必要です▼番組制作者らによる「放送人の会」が、削減計画に反対の声をあげました。「マイノリティー(少数者)のための文化は『多様性』の時代に貴重な意味を持つ」と述べています。朝ドラは、英語講座をいつくしんだ3代の女性が登場。ドラマ制作陣のラジオへの信頼があふれています。


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