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2021年9月10日(金)

きょうの潮流

 「自衛隊ではなく、『国防軍』と明記したい」。自民党の総裁選に臨む高市早苗氏が月刊誌の対談「わが政権構想」で語っています(『Hanada』10月号)▼戦力をもたないと定めた9条2項をなくし、軍事費を大幅に増やすべきとも。高市氏といえば、A級戦犯をまつる靖国詣でを欠かさない名うての改憲タカ派。日本の侵略や植民地支配、朝鮮の人々の強制連行や日本軍慰安婦の事実を真っ向から否定しています▼安倍前首相が後ろ盾になっているといいますが、そんな人物が党の顔に名乗りをあげるところに今の自民党の戦前回帰が表れています。歴史をねじ曲げる過去の亡霊とのたたかいも迫る総選挙の大きな争点です▼「従軍慰安婦」や「強制連行」の表現は不適切だ―。菅政権の決定をうけ、複数の教科書会社が記述を削除するなど訂正を申請したと文科省が発表しました。もともと、この閣議決定は「維新」の質問主意書に応えたもの。従軍を付けず単に慰安婦と記すことで、日本軍の関与をなかったことにしようと▼強制連行を徴用と変えるように求める圧力も植民地支配をあいまいにする思惑です。村山談話や河野談話といったこれまでの日本政府の公式見解さえも投げ出す暴挙です▼この両談話を目の敵にしている高市氏は「現在の価値観をもって過去の戦争を裁き続けるとキリがない」(同)と主張します。それは国やくらしを壊され、おびただしい犠牲者を出したアジア諸国への加害に無反省な勢力の、未来なき姿です。


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