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2021年9月6日(月)

きょうの潮流

 「地球上から核の悲劇をなくすため、世界中のグローバルヒバクシャと連帯する必要がある」。そんな思いから被爆地・広島の市民が始めた「ヒロシマ・セミパラチンスク・プロジェクト」。ソ連(現・ロシア)の核実験被害者への医療支援や留学生受け入れなどの活動です▼セミパラチンスク核実験場は、ソ連が米国に対抗して、初めて核兵器開発の実験をした広大な軍事演習場でした。秘密裏に40年間にわたって450回以上もの核実験を強行し、総威力は広島型原爆の1100発分に相当します▼閉鎖に追い込んだのは、ソ連が崩壊する直前、独立するカザフスタンの反核運動の力でした。留学生2期生で、36歳になるマラルさんは、演習場近くの村で4歳のころに体験した“核実験”を証言します。「しっかりとしたつくりの家が、揺れた。親にせかされて急いで着替えて外に出た。揺れがおさまれば、家に戻った」▼自身に被ばくの影響はないとしながらも「仲良しだった友だちは、外形が明らかに普通でなかった。親戚にも大きくなっても成長しない人がいて、核実験被害者だと思う」▼カザフスタンは核兵器禁止条約をいち早く批准しました。核実験を強行したロシアや米国、原爆を投下された日本が批准しないのは「不思議。被ばく国民のことを考えるべき」とマラルさん▼核保有大国は核実験大国として「核兵器の実験により影響を受けた者の容認しがたい苦しみ」に向き合い、世界のヒバクシャを救済する共同責任があるのです。


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