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2021年9月2日(木)

きょうの潮流

 「空爆は成功した」。2018年9月、「史上最も高価な機体」と言われるF35ステルス戦闘機をアフガニスタンに投入した米軍は、誇らしげに声明を発表しました▼20年におよぶ戦争で、タリバン殲滅(せんめつ)のため最新鋭のハイテク兵器を次々に投入。そのたびに戦果を誇りました。しかし、タリバンは逆に勢力を増し、ついに全土を掌握。米軍は逃げるように撤退を余儀なくされました▼そもそも、米軍は神出鬼没のタリバンの位置を正確につかむことができず、民間人の誤爆を繰り返していました。その結果、新たな憎悪を生み、“敵”を増やす悪循環に陥ったのです。これでは、いくらハイテク兵器を投入しても勝てるわけがありません▼米国の「対テロ戦争」の後を追うようにして、日本は海外派兵と軍拡、安保法制の強行を積み重ねてきました。軍事費は8年連続で過去最大を更新しようとしています▼軍事費を押し上げる大きな要因は、F35やオスプレイ、滞空型無人機など、アフガニスタンでも使用された米国製の高額兵器です。とりわけ、F35は米国以外で最大となる142機の購入を約束。維持費を含めた総額は最低でも6・5兆円で、孫子の代まで財政を圧迫します▼“世界最高水準の米国の兵器があれば戦争に勝てる、国を守れる”という発想は幻想であることが白日の下にさらされました。米軍のアフガンでの敗北を契機に、軍事力一辺倒・米国依存の安全保障観から脱却し、外交力を中心とした平和構築の探求が求められます。


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