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2021年8月1日(日)

きょうの潮流

 「進路通信」という名前をやめて「『わ』~これからの道さがし~」に変えました―。コロナで2年ぶりとなった全国定通教育学習交流集会のシンポジウム、「いま通信制高校は」での一コマです▼大阪の私立通信制秋桜高校。教員みんなが生徒みんなの担任のつもりで、生徒全員を知る努力を惜しみません。体育も教員全員が関わって自身が楽しむ。さまざまなかかわりを通じて、学校が安心の場となります▼でも、卒業後の進路はどうするか。どこでも大きな悩みです。社会は厳しいから、それじゃやっていけない。少しは慣れておかなきゃね…。おとなは子どもの将来を心配し、追い立ててしまいがちです▼そんな中で同校では「進路」という言葉を使わなくなりました。冒頭の通信名には「ここで過ごした生徒たちが周りの人たちをあたため、つながりながら、これからの人生を幸せに歩んでいってほしい」との願いが込められています。将来が決まっている人も、そうでない人も読める工夫も▼卒業生を送り出した母親は、代表してこんな言葉を贈りました。「何ができるとかできないとかそんなことで、皆さんの価値は上がったり下がったりしません。人と比べる必要はないのです」。なぜなら「皆さんの存在がそのままで素晴らしいから」と▼自分をおし殺して必死に生きるおとなが、子どもを追い詰めてしまう現実。でも、社会に人を合わせるのではなく、人に社会を合わせることができたなら。声をあげる人々の地道なとりくみは続きます。


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