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2021年6月11日(金)

きょうの潮流

 散歩中、まだ青い梅の実が落ちていました。梅雨の訪れとともに旬をむかえる実り。水戸の偕楽園では、熟す前に収穫して木に栄養を残す毎年の「梅の実落とし」が行われています▼きょうは入梅ですが、列島は各地で真夏日に。35度をこえる猛暑となる所もあり、熱中症への注意が呼びかけられています。マスクがうっとうしくなる季節。気象庁の予報では今夏も厳しい暑さとなりそうです▼コロナ前、東京五輪・パラリンピックで大きく問われていたのが酷暑対策でした。選手をはじめボランティアや関係者、大勢の観客の命と安全を暑さからどう守るのか。開催の根本にかかわる問題にも国際オリンピック委員会(IOC)は動きませんでした▼アスリート・ファーストをかかげながら、開催時期の見直しにもかたくなに背を向ける姿勢。テレビ局の巨額の放映権料と引き換えに、IOCが世界のスポーツ興行の歯車に組み込まれてしまった実態を示しています(『オリンピック・マネー』)▼「五輪は誰かの不幸の上にあるのではなく、お互いの幸せのためにある」。当時オリパラ都民の会の共同代表が訴えていました。いまの菅首相にも通じます。大規模な人の流れで感染リスクが高まるのに、そうまでして強行する理由は何か。それすら答えられないのですから▼利権にまみれたIOC、誰もが聞きたいことに口を閉ざし、さらなる危険と負担を国民に迫る政府。〈世を隔て人を隔てゝ梅雨に入る〉高野素十(すじゅう)。涼風待たれる今年の夏です。


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