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2021年6月10日(木)

きょうの潮流

 国内外で深刻な気象災害が多発し、地球温暖化で今後の豪雨や猛暑の危険がさらに高まる―今年の環境白書です。気候変動対策は待ったなし▼しかし、日本の対応には首をかしげます。5月の主要7カ国(G7)気候・環境相会議は、石炭火力発電所が「世界の気温上昇の唯一最大の原因である」と合意。ところが議長国の英国が2030年までに石炭火力全廃を提案したのに日本は反対したため、共同声明に盛り込まれませんでした▼英国のフィナンシャル・タイムズ紙(アジア版)7日付に全面広告が掲載されました。大見出しは「日本よ、石炭を終わらせる時だ」。日本に石炭火力事業への支援をやめるよう活動する世界の市民団体が、石炭事業を続けず未来を守るために太陽光など再生可能エネルギーへの投資を呼びかけたのです▼日本はG7の中で唯一、いまだに石炭火力を建設し、国外の石炭火力に資金提供しています。その一方で、政府がやっているのは再エネ大量導入にブレーキをかけることです▼政府の審議会で先月、2050年の電源構成で再エネ100%のシナリオだと電力コストが現状の約4倍になるなどとする専門機関の試算が議論に。この試算をもとに政府文書は、再エネだけでなく原子力など「あらゆる選択肢を追求する重要性が示唆された」と▼この一方的な結論づけはあまりにも露骨なご都合主義です。気候危機には、持続可能な再エネ最優先のエネルギー転換こそ不可欠。政府の石炭と原発への固執ぶりには驚くばかりです。


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