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2021年6月4日(金)

きょうの潮流

 マスク姿のたくさんの友人と声をかけあい、互いの無事を確かめあう。この共有できる空気感こそがわたしの知っている香港なんだと、しみじみ思う―▼1年前の6月4日。かの地で20年くらしている日本人男性は、天安門事件の追悼集会が毎年開かれるビクトリア公園にいました。もしかしたら、これが最後の「六四晩会」になるかもしれないというおそれを抱きながら…(「『小さな主語』で語る香港デモ」)▼集会の許可は出なかったものの、この時はまだどんなにスローガンを叫んでも警察は市民に手を出すことはなかったと男性はいいます。しかし、ひろがるデモは「暴徒が起こした暴動」とされ、行政や警察による弾圧が吹き荒れていきます▼今年も追悼集会は禁じられ、天安門事件の資料が並ぶ「六四記念館」も休館に追い込まれました。中国を後ろ盾にした、相次ぐ香港市民への暴力と抑圧。それは「デモの都」といわれた街から自由と民主主義を奪いました▼多様な背景をもつ人びとで成り立つ香港はデモについての考え方もさまざまです。みずから「一国二制度」を骨抜きにする中国の干渉は、その一人ひとりの思いを力によってねじ伏せ、同じ色に染めるものです▼たたかいの火は消えていません。六四記念館の運営代表で、いまは獄中にいる民主活動家の言葉を本紙特派員が伝えています。「街頭や家の中でろうそくの火を掲げてほしい。点は線となり、線は面となる。それはビクトリア公園のろうそくの海に匹敵するだろう」


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