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2021年5月16日(日)

きょうの潮流

 ウズラの卵にタケノコ、鶏肉やゴボウ、シイタケ。あんずや栗も入った炊き込みご飯「峠の釜めし」。名物の益子焼の土鍋を一度は手にとった人も多いでしょう▼温かく家庭的で、見た目も楽しいお弁当を。そんな旅客の望みにこたえようと、群馬の駅弁屋が売り出して半世紀余り。時代の移り変わりとともに駅からドライブインへと販路を広げてきましたが、その一つ「おぎのや長野店」が閉じることになりました▼上信越道の長野インター近くに開き、バスやマイカーで訪れる観光客を集めてきました。しかしコロナ禍で団体客が激減。閉店の一報はネットでも大きな話題になり、寂しい、思い出の場所がなくなるといった声が相次ぎました▼長く人びとに愛されてきた老舗や名店がのれんを下ろしています。なかには江戸時代から続く料亭や菓子店も。名が知られずとも各地で親しまれてきた店も同じく、筆者の地元でも愛顧への感謝とともに窮状を訴える張り紙が商店街のシャッターに▼当たり前にあったものが失われていく。見慣れた風景だけでなく、文化や芸術、日常の営みさえも。くらしから潤いがうばわれ、乾いた心はささくれ立ち、マスク越しの表情も険しくなる日々。そんなときこそ、生きる希望がほしいのに▼直近の世論調査で菅内閣の支持率が最低、不支持は最高となり、コロナ対応を評価しない人も6割をこえました。この期に及んで五輪について「やるよ」と軽々しく応じたという首相。その目には何が映っているのか。


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