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2021年5月15日(土)

きょうの潮流

 89年前のきょう、海軍の青年将校らによって時の首相、犬養毅が暗殺される五・一五事件が起きました。事件は軍部が発言力を強め、日本の軍国主義化が大きく進展する契機となりました▼この日はアメリカの喜劇王チャプリンが来日していました。青年将校らは当初、首相主催のチャプリン歓迎会を襲撃しようとしていました。計画の変更でチャプリンはかろうじて難をのがれます▼日本でのファシズムの台頭を、身をもって経験してから8年後、チャプリンは映画「独裁者」を発表します。侵略やユダヤ人迫害を進めていたヒトラーを痛烈に批判した作品。チャプリン演じる理髪師が独裁者と取り違えられて大観衆を前に演説をさせられることに…▼平和と平等、民主主義を訴えた劇中のチャプリンの演説は、多くの人の心をとらえてきました。映画公開から80年以上たった今、この演説が新たな形でよみがえっています▼世界的に注目を集める日本のダンスグループ「s**t kingz(シットキングス)」。「独裁者」の演説に振り付けをし、力強くスピード感あるダンスにしています。黒人差別に抗議する「ブラック・ライブズ・マター」運動を目の当たりにして、自分たちもそうした問題に向き合っていかなければと考えたそうです▼激動する世界。その中で差別を否定し、民主主義と平和を求める動きが多様な形で確かに広がっています。あの演説でチャプリンは訴えています。「私たちはみな互いに助け合いたいのだ。人間とはそういうものだ」


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