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2021年4月18日(日)

きょうの潮流

 この国に、海外から人を招く資格があるのか。日本やそこでの生活にあこがれ、夢を抱いてきた女性を、こんなにもむごい仕打ちで死に至らしめるとは▼名古屋の入管施設で収容中に亡くなったスリランカ人のウィシュマさん(33)。4年前に来日後、学んでいた日本語学校の学費が払えずに滞在許可を失い、昨年8月に収容。今年に入って体調不良で食事も取れず点滴を求めていましたが、先月6日に運ばれた病院で死亡が確認されたといいます▼「娘は動物ではない。人間です」。オンラインで会見した母親はなぜ治療や点滴を受けられなかったのかと涙ながらに訴えました。入管庁は調査中としていまだに死因を明らかにしていません▼まるで刑務所。日本の入管のあり方は以前から問題になっていました。自由のない無期限の拘束、職員からの暴行、命の危険にさらされる現状。人間扱いされないなかで死亡事件や自殺が相次いでいます▼いま国会では入管法の改定案が審議入りしています。待遇の改善どころか、いっそうの厳罰化と入管庁の裁量を拡大するものに。質問にたった共産党の藤野保史議員は「外国人の人権侵害をさらに深刻化し、国際基準からも逆行するもの」と批判しました▼都合のいい労働力として外国人の受け入れを増大させてきた政府。実習生たちの過酷な実態に見られるように、彼らの人権を置き去りにして。「安全でいい国という日本のイメージが崩れ去った」。ウィシュマさんの遺族の訴えが重く響いてきます。


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