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2021年4月3日(土)

きょうの潮流

 カンフー映画を代表する俳優として世を席巻したブルース・リー。主演の映画は次々と大ヒットしましたが、ハリウッドでは主役になれない日々が続きました▼「カンフル」。新型コロナウイルスを中国武術のカンフーとインフルエンザをくっつけた造語で呼んだトランプ前大統領。「チャイナウイルス」とも叫び人種差別をあおりました。いま米国社会でひろがるアジア系市民への憎悪犯罪の背景にあるといわれます▼後ろから突き飛ばされる高齢者、いきなり蹴られ頭を踏みつけられる女性。先月にはマッサージ店が銃撃されアジア系の女性6人が犠牲になりました。同様の犯罪はこの1年で急増しています▼アジア移民にたいする偏見や差別は根深い。過去には中国人排斥法や日系人の強制収容もありました。そうした差別を調査する市民団体の代表は政治が扇動する危険を指摘しながら、白人至上主義などの問題を解決していく道は連帯することだと強調します▼市民は立ち上がっています。大規模な抗議集会を開いて対策を訴え、バイデン大統領も「黙っているわけにはいかない」と。映画や音楽、スポーツ界をはじめ動画やSNSを使って反対を発信する動きは世界中で▼人種で隔てる不当は、どの国にも。日本でも最近アイヌの人びとをおとしめる表現がテレビで流されました。アメリカで国の差別とたたかい、名誉を回復した日系2世のフレッド・コレマツさんは、こんな言葉を残しています。「声を上げることを恐れてはいけない」


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